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レディ・バレンタインの休日

部屋に大きな音が鳴り響く。
好きだったメロディーも今だけは嫌いになれそう。

「誰よ……んー」

魔法石から鳴る着信音。
石に掘り込まれた「イ・ユリ」の名前が明滅する。
名前をこすると、石からハツラツとした声が応える。

「おはよう!」
「ユリちゃん……」
「あら、起こしちゃった? って、もうお昼になるわよ、バレンタイン」
「うぅ~、ちょっと寝不足で……」

ユリのなにかを察したかのような間に、バレンタインは慌てた。

「えぇっと、電話、どうしたの」
「あ、うん。今ね、エルバ・ローウェンとカウエス駅にいるの」
「エルバ君と?」

バレンタインは寝返りをうちつつ、魔法石を手のひらで弄んだ。

「そうそう。バレンタインの家から一番近い駅でしょう?」
「そうだけど……は~うあ~。ごめん、それで……デート?」
「まさか!! そうじゃなくてね、ちょっと出てきてくれないかな。気晴らしに遊ぼうよ」
「えぇ~、今からぁ?」
「イエス、オア、イエス?」
「イエスしかないじゃない。一時間半後……でいい?」
「オウ、イエス!! そいじゃ、ヴァイオリン持参で!」
「はあ!?」

刻まれた名前から光が消え、バレンタインは枕に顔を埋めた。
寝不足のせいだろうか。
頭はぼうっとするし、キモチワルイ。

「ヴァイオリン持参って、嫌な予感しかしないよぉ……」




―――――― 一時間半後。

紺色のワンピースに白いブラウス。
いつもポニーテールにしている金髪を下ろしている。
バレンタインの姿に、エルバ・ローウェンはじっと眺めて、それから顔を逸らした。
ユリは満足げに頷き、バレンタインの肩を抱いた。

「眼福、眼福。それじゃあ、ランチにしましょ!」
「楽器は?」

ユリはヴィオラのケースを持ち、エルバもヴァイオリンケースを持っている。
わざわざ三人とも楽器を持っているのだ。
きっとなにかを企んでいるに違いない。

「それはランチが終わってから、ね? エルバ・ローウェンもそれでいいよね」
「ああ」

エルバ・ローウェンは勝手に歩き始める。
本当に、自由だな。
ユリとバレンタインはその後についていく。

「どこ行くの?」
「俺の親戚が店やってんの。少し割引してくれるから、そこにするの」
「いいの?」
「いいんだよ」
「そっか。……ん、なに笑ってるの?」
「お前が笑うから」

エルバは口元にかすかに笑みを浮かべていた。
バレンタインは首をかしげて、髪をすいた。





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*Comment

No title 

おお、携帯などはグッゲンハイムと同じ文明ですね。
グッゲンハイムの携帯も魔力を埋め込んだ石で通話するタイプですからね。少し違うのは会話はできるけどその他の機能は全くないということですかね。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2013.03/06 17:33分 
  • [Edit]

Re: LandM さんへ 

こんばんは。
訪問、コメントありがとうございます^^
アイフォンっぽいものを入れたいなぁ、みたいなノリで入れました。
作中での携帯は、連絡帳の登録数が少ない、という裏設定があります。
とりあえず十人以内、ですかね。
かなり使いづらい(苦笑)
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.03/06 19:50分 
  • [Edit]

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