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二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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レディ・バレンタインと先生

先生は言った。
もし予言が本当だとしても、一人でイルカを救出するのは難しい。
一人前の奏者ならまだしも学生であるサラが、大きな魔力を発生させるのは無理だ、と。

「だから、諦めろとおっしゃるんですか」
「現実を見れば、そう言わざるを得ない」

確かにそうかもしれない。
楽譜の譜読みで泣きそうになっている程度の自分に、大きな魔法を生み出すことは不可能だ。
協力者が必要だった。
小さな力が集まれば、それなりに大きな力になるはずだ。

「一緒に演奏してくれる人を探します……」

先生は苦笑した。
サラの頑張りを認めはするけれど、「きっと無理だろう」と暗に言っている顔だ。
サラはヴァイオリンケースを抱きしめ、職員室を出た。

「サラ!」と呼ばれて振り返る。
先生は、微笑をたたえたまま言う。

「弦楽四重奏と、そうだなぁ、アンサンブルの曲を探しておく!」

サラが首を傾げると、先生は手をひらひらと振った。

「誰が仲間になってもいいように、な。頑張れよ!」 ※先生:フィオン







書き綴った言葉の羅列を見て、バレンタインは息をついた。

心地よい疲労感。

カーテンから光が漏れ始め、夜が明けたのだとわかる。

いつも通りに床についたのだが、小説の構想がぱっと浮かんでしまったのだ。
考えていくうちに頭が冴え、深夜に起き上がりココア片手に執筆していた。

かれこれ三時間くらい、ずっと小説を書いていたことになる。

(病気だわ……)

バレンタインは自分を嘲笑した。
それからまた、飽きもせず小説のことを考える。

「先生の名前はどうしようかな……」

メモに思いつく名前を書いていく。

ロバート、ラッセル、ジョージ……。

(フィオン、先生)

『バレンタイン・ヴァスタ。お前の演奏は、楽譜に忠実だな』

美貌を持ちながらも冷たい雰囲気のせいで、生徒からあまり好かれていないフィオン。
彼はバレンタインの個人指導の先生だった。
冷たい、と言われているフィオンのことをバレンタインはそこそこ気に入っていた。

『お前は、この曲が嫌いなのか? それとも演奏が嫌いなのか?』

バレンタインの音楽に対する姿勢を見抜いた、たった一人の人。
個人指導のときに向けてくる視線や、容赦ない批判や指摘には心が折れそうになるが。
誰よりも自分のことを見てくれている。
そんな気がするのだ。

バレンタインは、ノートの隅に文字を書き足した。

「性格が真反対だけど、いいよね」

苦い笑みを浮かべて、バレンタインはノートを閉じた。






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