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第十二回 駆け引き

すごく難しいテーマです('・c_・` ;)
駆け引き……頭使うの苦手なので、軽めのお話でよろしいでしょうか……?苦笑

執筆中BGM: 3OH!3 『My First Kiss (feat. Ke$ha)』    『Double Vision』




ティアナへの謁見が済み、ケイトを伴って俺たちはリューガ家へ戻った。
ケイトの手には、ティアナの手料理であるカップケーキがあった。
ティアナの好みや感性が伺える、丁寧な包装。
あいつらしい、と思わず笑みがこぼれる。

ケイトに、とティアナが作ったのだが。
正直言うと俺だって食べてみたい。
その、ティアナのカップケーキを――――ゼネテスよりも早く、ティアナの料理は食しておきたい。



           『駆け引き』


「なんだよレムオン。さっきから、ちらちらこっち見て」

ケイトが俺を鬱陶しそうな目で見る。
この世でエリエナイ公である俺を、そんな見下した目で見るのは、こいつくらいだろう。
あぁ、あとエリスか?
あの女は俺で遊んでいる気がするが――。

俺はケイトを無視する。いや、耐えているのだ。
馬車のなか、並んで座る俺とケイト。
嫌でもカップケーキの存在がちらつくのだ。

「それがほしい、俺にくれ。なんでもするからっ」

なんて言った日には、俺は死ねる。
誰が頭なんて下げるか――――こんな女に。


ちら。


「………………」


ちら。


「…………あのさ」


ちらっ。


「あのさ、レムオン。見てるこっちが辛くなってくる」



ケイトは嘆息し、俺の手にカップケーキが包まれた袋を置いた。


「あげるから、こっち見ないで」
「これはティアナがお前にと作ったものだ。俺がもらうわけにはいかない」
「ちらちら見やがったくせに、下手に出てんじゃねーよ」
「誰が下手に出ていると? 被害妄想で俺を貶めようとするな」
「んだよ。人がせっかく善意でやったのに」


手元に収まっていたはずのカップケーキが、没収されてしまう。
ケイトは袋をつまみ、眼前でぶら下げて眺める。

「なんだって一つしか作らなかったんだよ」
「成功したのが、それしかなかったんじゃないのか?」

自分で言って、案外そうかもしれないと妙に納得してしまう。
それはたぶんケイトもそうだったのだろう。
ケイトは一瞬黙り、いやな顔で俺を見てきた。

「お前、時々ティアナにもさらっと酷いこと言うよな」

リューガ家にたどり着くには、まだ少々時間がある。
それまでに、上手い具合に流れを操作して、ティアナ手製のカップケーキを我が物にしたい。
さりげなく、そういう方向に持っていくにはどうすれば良いか。
ふむ。

「貴族の間で、ちょっとした遊びがあるんだが」
「うん?」
「単なるコインゲームだ」

俺は懐から、一枚の銀貨を取り出した。
それを適当に指先で弄び、親指で弾き宙に上げる。
受け取り、さらに何度か宙に浮かせては弄ぶを繰り返し。

「なに?」
「俺の、どちらかの手にはコインがある。それを当てるゲームだ」

俺が拳を二つ突きつけると、ケイトは破顔した。

「え、今のすごいね! 全然わからなかった!」
「いかに悟られずにコインを手の内におさめるか。当てるというより、この技術に貴族共は熱くなっているようだ」

ケイトはじーっと拳をにらみ、「右!」と指差す。
俺が両手を開くと、ケイトは露骨に悔しそうな顔をした。

「今から5回、コイン当てゲームをする。お前が三回当てれば勝ちだ」
「勝者がカップケーキを手にするってわけね?」
「話が早い」

ケイトは物言いたそうな口で笑うだけだった。
口にするよりはマシだ。自分に言い聞かせて、俺はコインを弾いた。

「いくぞ」
「かかってこい!」




二対二の互角の勝負。
最後の一回にすべてが掛かった。

「なかなかやるな」
「勝負事はいつでも全力! これがアタシ流」
「俺と気が合いそうだ」

ケイトは、俺の指先と手に食い入るように見つめた。
充分に銀貨を弄び、俺が最後にコインを弾きあげたときだった。

リューガ家に馬車が到着した。
馬が急に止まったせいで車が揺れ、身を乗り出す格好でいたケイトがバランスを崩した。
俺の胸に飛び込んでくるケイト。
とっさに受け止めた瞬間――俺たちの動きはぴたりと止まった。

嫌な、予感だった。
俺とケイトの間で、なにかが潰れた。

嫌な、衝撃が俺の膝に伝わった。

そろそろとケイトも顔を上げ、「まずい」と言った。
身を離し、俺たちは、潰れきったカップケーキを見下ろした。

「……あ~あ……」

せっかく、ティアナが一生懸命作ったカップケーキがものの見事に潰れている。
良心が痛む。
一番きれいなものを選んだのだろうと思うと、余計に。
ケイトも情けない顔をしたまま、カップケーキを手に取った。

「賭けは、引き分けでいいよね」
「あ、ああ」

がさがさと袋を開け、ケイトはカップケーキを取り出すと、それを二つに割った。

「分けちゃえば、バレない!」
「都合のいい言い訳だな」
「仕方ないだろう。潰れたもんは。で、いるの? いらないの?」

差し出されたカップケーキ。
俺は眺めるだけで、言葉を口にできなかった。
呆れた様子のケイトだったが、突然にやりと笑った。

「はい、あ~ん」
「できるかそんなもん!」
「なにも言わないからじゃない。ほら、あ~ん」

引こうとしない、強情なケイトに負けて俺はケーキを食べた。
ということにしておいた。
ケイトもケーキを食べた。






その瞬間。





「ごふっ」
「ごほっ」

二人してむせた。

「……油っぽいし、なんか生っぽい」
「なぜだ、なぜこんな味になるんだ?」
「アタシらもしかして、実験台なんじゃ……」

容易に想像できてしまい、俺はなにも言えなかった。






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*Comment

こんばんわ♪ 

こんばんわ♪

ティアナ王女のケーキ・・私も食べてみたいw
実験台でもレムオンなら喜んで食べる・・って訳では無かったみたいですねw
ケイトも一緒に食べてる図が想像出来て楽しいですw

  • posted by kaorin114 
  • URL 
  • 2012.12/25 20:27分 
  • [Edit]

Re: kaorin114さんへ 

こんばんは、
訪問&コメントありがとうございます。

エリスは手料理が上手い、という設定だったので(公式で)
じゃあティアナは下手だろうなぁ、ということで書きました。
たぶん、塩と砂糖は間違えないだろうけど、焦げてたり、生っぽかったりと、
料理下手な、でも可愛らしいミスをしそうだな、と思います。

レムオンはゲーム中ではクールに立ち回る役っぽいので、今回は俗っぽく描写してみました!
ぜったい口には出さないけど、いろいろ俗っぽいことを考えているだろうなって。
むっつりタイプですね(笑)

コメントありがとうございました!
しばらく新作が書けないかもしれませんが、暇なときでも覗いてください!!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/25 23:35分 
  • [Edit]

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