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第八回 新月

「今日は、月が無いのな」

酒場からリューガ家へ帰る道、秋の夜空を見上げて、思わずアタシは呟いていた。


          『新月』


月光がない今、ロストールの街中はたいまつや、屋敷に置かれたかがり火だけが頼りだった。
外套(がいとう)を口元までたぐり寄せる。
たいまつの炎が秋風に揺れる。
消えることはないだろうが、なんだか頼りない。

「月ってのは偉大だな」

酔っ払った覚えはないのだが、どうにも独り言が多い。
夜道が怖い、なんて乙女心に似た感情がアタシにまだあったとは。
ケタケタと小声で笑っていたら、いや~な雰囲気が漂った。

ゾワゾワゾワ……っと、背中に悪寒が襲ってくる。

――――誰!?

勢いよくふり返るが、そこには誰もいなかった。

しん……と静まり返ったままの路地。

――――幽霊……?

足が震えだす。

(ま、まさかね)

アタシはみっともなく震える身体と精神に喝を入れて、再び歩き出した……さっきよりも早足で。
しかし、依然として背後には妙な気配が漂っている。
確かに息づく気配。
じっと見つめる視線。

(……怖いと思うから怖いんだ。別になんともないって思えば……)


「うっ」

堪らなくなってもう一度振り返る。

「――――――っ!?」

闇から浮かび上がる、黒い影。それも三つ、四つ……五つ。
目だけがこっちを見ている。
目だけが、目だけが。
眼が、こっちを見て――――。

「いっ、いやぁぁぁぁあぁあああ!!」

アタシはリューガ家を目指して全力疾走した。
あまりの恐ろしさにたいまつを落としてしまったが、もうこの際仕方がない。
背後の影が、ものすごい速さで追ってくる。

心臓が破裂しそうなくらいバクバクいっている。

馬車が家に留まっていた。
リューガ家のかがり火で、誰が降りてくるのか遠目でも判断できた。
レムオンだ。

「っ……! ……?」

声を出したいのに、出ない。
あまりの恐怖に声がでない。
それが余計にアタシをパニックにさせた。

このままじゃ、レムオンが屋敷に入ってしまう。

「――……けて。……えて……」


泣きながらアタシは叫んだ。

「タスケテ!」

馬車から降り立ったレムオンは、ふっとアタシに目を向けた。
目を細め、アタシだと分かったのか早足でアタシのところに向かってきた。

「レムオン……たすけて」

一心不乱に走ってくるアタシを受け止めて、レムオンは剣を抜いた。

「刺客、か」

その言葉にアタシは頬を打たれた気分だった。

刺客? それって人間じゃないか。

「雇い主は誰だ。エリスか? ディンガルか? それとも竜王に操られたか」

屋敷の守衛たちも集まり、たいまつによって視界は広がる。
黒服の人間たちが剣を抜いたまま、アタシを睨んでいた。

「足がある……」

震えがすーっと消えていく。
代わりに沸々と怒りが出てくる。

「ふふっ、ふふふっ……そう人間だったの。人間如きにアタシは」

アタシは剣を抜き捨て、対峙した。

「アタシをビビらせた罰は重いぞ下郎共!!」

レムオンの冷たい視線を受けながら、アタシは刺客を一掃した。



みね打ちによって倒れ伏した男達。
アタシは勝ち誇った笑みを浮かべた。

「いーち、にーい、さーん、よーん……」
「どうした? ケイト」
「いや、ううん」

アタシはもう一度、倒れている男を数える。

「いーち、にーい、さーん、よーん」

アタシは指を止めた。

「そんなはずない!」
「だからどうしたというんだ」
「だって、こいつら最初五人いたんだ! ちゃんと数えてから逃げたもん!」

レムオンは顔をしかめて、ケイトの隣に立った。

「じゃあ連絡係か衛兵か。とにかく撤退したんだろう」
「幽霊だ……」
「お前は本当に想像力が豊かだな」
「絶対幽霊だよ! だってホントに居たんだ!!」
「いいから、中に入るぞ」
「レムオン! 本当だって、本当に居たんだって!!」

レムオンは首を振り、屋敷の中へと入っていった。

「はっ!?」

背後から視線を感じて、アタシは振り返る。

誰もいない。

ただ、静かな闇があるだけだった。

…………二度と新月の日は出歩かない。
アタシはそう心に誓ったのだった。






お疲れ様でした&ありがとうございました

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*Comment

こんばんわ♪ 

こんばんわ♪

新月の怖さが凄く伝わってきて、私もケイトと一緒にドキドキしましたw
月の明かりが無いから外真っ暗なんですよね・・・(゚Д゚;)
刺客が一人いなくなっているのも、何だか怖いです・・
レムオンがすっごく頼りに見えるw(ダルケニスは置いといてw
  • posted by kaorin114 
  • URL 
  • 2012.12/20 20:19分 
  • [Edit]

Re: kaorin114 さんへ 

コメントありがとうございます^^

> 新月の怖さが凄く伝わってきて、私もケイトと一緒にドキドキしましたw
楽しんでいただけたようでなによりです♪
「いや~な」とか「ぞわぞわぞわ…」の所は、有名な某怪談家をイメージしたんです。
きっと誰も気付いてくれないだろうなぁ、とか思いながらネタとして書きました(笑)

新月にダルケニス、はベタかなぁとか思ってあえて外しましたw
お題はやっぱりふざけてこそ味が出る!ww
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/20 20:45分 
  • [Edit]

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