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レディ・バレンタインの決意

「や、やめてください!」


バレンタインは泣きながら駆け寄り、エルバの手を掴んだ。


彼の、白くてキレイな指先から目を離せなかった。


彼が今どんな顔で、自分を見下ろしているのかわからない。
だが、彼は胸倉を掴む手だけは緩めなかった。


「ごめんなさい! ごめんなさい! 私が、私がっ」


目に見えるほど小刻みに震えた手で、エルバの手を力強く握って離さなかった。
バレンタインのあまりの言動に周囲は静まり返った。

エルバの苛立った声が降ってくる。


「なんで……」
「手だけは……ひっく、手、だけは! うぅっ……手だけは」


呪文のように繰り返す。
それ以上、言葉が続かなかった。
楽器を扱う人間にとって、手は、指は、大切にしなければならなかった。
絶対に怪我をさせてはいけない。


「わかった……」


意図を察したエルバは、男子生徒を睨みながらも手を放した。

「音楽」と向き合うきっかけがあるとすれば、今しかない。

グループ課題の「弦楽四重奏」を真剣に取り組んだら、少しは変れるんだろうか。
わからないけど。
もしかしたら変らないかもしれないけれど。
遅すぎるかもしれないけれど。


「今回のことは、なかったことにしてもらえませんか」


バレンタインは頭を下げた。

教室の内外が騒然とした。
なぜ? どうして?
戸惑いが漂う空気のなか、バレンタインだけが涙に濡れた声で続けた。

「もう一度だけ、チャンスをください。

 次のグループ課題、弦楽四重奏で改めて私を見てください。

 その時、やっぱり私のことを気に入らなかったら……」


「なんだよ。また泣きつくのか? 優等生のエルバ・ローウェンに」


バレンタインは顔を上げると、呼吸を一つして言った。


「私は聴き手を選びません。聴き手の評価のまま受け止めます。
 それが私なりの、音楽に対する向き合い方です」





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