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レディ・バレンタインとラウル先輩

バレンタインが固まっていると、男子生徒は何かに気が付いた。

「ああ。ごめん。知らない奴に声かけられたら驚くよな。俺は、三年のラウル・アスト」
「あ、中庭の……」
「中庭?」

立ち上がった彼に手を差し出される。
ためらいながらもその手を借りて立ち上がった。

「ありがとうございます」
「いや、いい。それより中庭って?」
「先輩が中庭でヴァイオリンを弾いているから……その……中庭の彼って呼ばれているんです」
「ああ。そのことか」

納得したように笑ったから、本人は噂のことなど、これっぽっちも気にしていないのだろう。

(噂されること、嫌じゃないんだろうか……)

ラウルは机に座り、バレンタインをじっと見つめた。
見られることが苦手なバレンタインは、居心地の悪さに目をそらした。

「海、好きなの?」

バレンタインは腕の中の写真集を見下ろした。
どうだろう。
小説の次の舞台は「海」だから。
それ以外の理由はなくて、返答に困った。
自分がどんな顔をしたのか分からないけれど、ラウルはふっと笑った。

「海、良いよな。波の音も、潮風も」

気を遣わせてしまったみたいだった。
「すみません……」としょげるバレンタインに、ラウルはやはり気にした風でもなく笑った。
大人だと思った。一年の差はこんなにも大きい。
自分は来年、こんな風になんでも受け止められる大人になっているんだろうか。

「先輩は、どうしてここに……? 普段は、誰もこない場所なのに……」
「頻繁に通うのは君だけだよね、バレンタイン」

かっ、と顔が熱くなる。
バレてる――――名前も、噂も。

「俺は確かめに来たんだ」
「え?」
「最近、というか新学期が始まってからかな。
 決まった時間に、中庭でヴァイオリンを弾いてる奴がいるだろ。
 でも今日は居ないみたいだ。おかしいな……」

ラウルが窓の外を見た。眩しさに目を細め、なにか言いかけたところで。

「バレンタイン、いる!?」

ユリの鋭い声が図書館に響いた。




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前へ ≪ブログトップへ戻る≫ 第12話 レディ・バレンタインと騒動
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*Comment

 

噂を気にするか気にしないかはそれぞれですけどね。
人との係わり合いの問題もありますしね。
学校はいささか閉鎖的な空間ではありますからね。
まあ、噂を気にしては前には進ませんが。
そういう前向きな人なんでしょうね。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2013.02/08 19:43分 
  • [Edit]

Re: LandM さんへ 

訪問、コメントありがとうございます!
学生時代(主に小~高校)までの話ですが、噂に敏感な子は多い気がします。
(噂好き、とはまた違うんですよね。)
私は噂されることはなかったんですが、良い噂も悪い噂も、人知れず立つものですね。
噂されても、気にしない人ってすごいなと思います。
クールだなぁ、と憧れる(笑)

ありがとうございました!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.02/08 21:06分 
  • [Edit]

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