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第四回 葛藤

「例えばさ、例えばの話だよ」

ケイトは言葉を選ぶように逡巡し、続けた。

「アタシが、ドレスを着るのと貴公子の服を着るの、どっちが似合う?」
「えっ?」

レムオンの弟、考古学者エストは義妹の相談に顔を上げた。
読んでいた考古学資料を膝に置き、小首を傾げる。


「なにかあるの?」
「細かいことはいーの! で、どう!?」

同じソファに座り、柔らかな生地に手をついて尋ねるケイト。
その勢いにエストは呆気にとられた。

「どうって……ケイトは女の子なんだから、ドレスだと思うけど」

もっともらしい一言。
だが、義妹は気に入らなかったらしい。

「エストはお兄ちゃんでしょ!!」
「厳密には違うけどね」

いつもの調子で切り返す。
ケイトはすっくと立ち上がった。

「もういい!」

今日のケイトはいつもと違っていた。
いつもを知るほど、彼女とはあまり交流がないけれど。

背を伸ばし、きりりとした表情で冒険をしている彼女とはおよそ比べ物にならないほど。
子供っぽかった。

部屋を出て行こうとするケイトの手を取って、もう一度ソファに座らせた。
なにが気に入らないのか、なんと言えば気に入るのか分からない。
だが、このままじゃいけないのだろうと思った。

「ケイト。悪かったよ、僕が悪かった。だから機嫌治して、ね?」

両手を握ったまま諭すと、ふんと顔を逸らした。
それだけで、もう充分許してくれたのだと分かる。

ケイトはおもむろにエストの膝に頭を乗せ、寝転んだ。

「ケ、ケイト!?」
「レムオンに笑われたんだ。ドレス、試着してみたら」
「え?」
「ドレス、似合わないのかなぁ。アタシ」

黒い前髪が、彼女の表情を隠す。
よほどショックだったのか、それからピタリと口を閉じてしまった。
兄さんもひどいことをする。
心の中でひとりごち、ケイトの髪を梳いた。

「ケイトの好きな方を着たら良いんじゃない?」
「でも、似合ってないかもしれない」
「もしかしたら、あ~意外に似合ってるな、って思って笑ったのかもしれないよ」
「本当?」
「っ…………」

不覚にも鼓動が一跳ねした。
見上げてくる顔、不安そうな表情。
愛らしくて、どうにかなりそうだった。

顔を真っ赤にしてケイトを見下ろすエスト。
怪訝そうに眉を寄せるケイトを見て、はっと我に返る。

「ほ、ほんとほんと!!」
「う~ん……」

そう言ってケイトは再び、エストの膝で丸まった。
エストは口元を押さえ、不穏に高鳴る鼓動を必死におさめようとした。

(ケイトはダメだ……)

ちらりと見下ろす。
うとうと。
そんな風に目を瞬き、そうしているうちに眠り始める。

(これは……ダメだよ……)

おずおずと、ケイトの頭を撫でる。

(……兄さんの大事な人なのに)

エストは天井を仰ぎ、嘆息した。

「……どうすればいいんだ……」

初めての恋の予感。

「……どうしよう……」





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*Comment

ケイト頑張れ!w 

こんばんわ♪

遠慮するエスト可愛いです(/ω\)
レム兄・・ドレスの事は似合っていたから笑ったに違いないっw
エストとは魔導器と遺跡でしか絡みが無いから
こうして補完して頂けると癒されます(´∀`*)
  • posted by kaorin114 
  • URL 
  • 2012.12/16 21:35分 
  • [Edit]

Re: kaorin114 さんへ 

こんばんは~^^
今回は、エストが主演でした!
レムオンとケイトはいつもこんな感じのやり取りをして、関係をごたごたさせているに違いないw

> エストとは魔導器と遺跡でしか絡みが無いから
> こうして補完して頂けると癒されます(´∀`*)
ありがとうございます♪
エストとは恋愛フラグ立ちませんからねぇ、ちょっとはイチャコラさせたいんです(笑)
コメント&訪問ありがとうございました!!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/16 22:45分 
  • [Edit]

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