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レディ・バレンタインの恋人

……彼女の名は、ルル・シェント。
美しくしなやかな身体を持ち、鼻はすーっと高く、唇はいつも潤ってピンク色をしていた。
音楽魔法学校でマドンナと称される彼女は、男の子たちの目を奪う。
けれども、彼女は男の子の視線を気にしたりしない。
彼女の恋人は「魔法」と「音楽」なのだから。





バレンタインはピタリと筆を止めた。

吐き気がするほど思考が回っていた。
考えることをやめると、堰を切ったように、脳から全身へと血が巡り始める。
そんな感覚が襲ってきた。


ぼーっと、書き溜めた設定資料を眺め、爪の整った丸い指先で撫でた。


バレンタインは音楽学校の事情も、その生徒たちの眼差しも、お家事情も知っている。
それをリアルに書こうと思えばきっといくらでもできる。

世界中を巡れるほど有名な指揮者の父。
国で知らない人はいないと言われるほど有名な、ヴァイオリン奏者の母と姉。

バレンタインが描く 〈ルル・シェント〉 は、姉だった。

マドンナかどうかは分からない。美人かどうかも怪しいけれど。
彼女の恋人は確かに「音楽」だった。
それは今も昔も変らなくて、多分これからも変らない事実だろうと思う。
姉の恋愛感覚は理解し難い。

でも、とバレンタインは頬杖をついた。
図書館から見える中庭の、あるひとりの男子学生がヴァイオリンを弾く姿を見て思う。


――自分はどうだろう。


自分の恋人は「物語」であるだろうか。


中庭の彼は、どうだろう。
彼は「音楽」が恋人です、と答えるだろうか。


バレンタインは目を伏せた。

自分に言える、確かな答え。

「音楽」を恋人にするなんてことは一生できない。






ありがとうございました&お疲れ様でした

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前へ ≪ブログトップへ戻る≫ 第3話 レディ・バレンタインのノート 
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*Comment

 

少なくとも私は小説は恋人ではないですね。
あまり言ってはあれですが、小説を書くことにプライドを持たない人間なので。
言うなれば、書くことは呼吸に近い感じですかね。
逆に書いていないと苦しい感じがするので。

天才っていうのはその一つのことを愛することができる才能がある人のことだと言うこともありますからね。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2012.12/20 20:52分 
  • [Edit]

Re: LandM さんへ 

訪問&コメントありがとうございます!

> 少なくとも私は小説は恋人ではないですね。
> あまり言ってはあれですが、小説を書くことにプライドを持たない人間なので。
> 言うなれば、書くことは呼吸に近い感じですかね。
> 逆に書いていないと苦しい感じがするので。

書くのは呼吸に近いという感覚、私にもあります。
気付いたら小説の構想を練っていたり、自然と素材探しに走ってしまうことがあるんですよ。
そのせいで、人の話を聞いてなかったりして怒られることもあるんですが(苦笑)

でも、自分の趣味や特技を恋人と呼べるほど自信が持てたら、どれほど格好良いんだろうとは思いますね。
自信が欲しい、としばしばあります。

> 天才っていうのはその一つのことを愛することができる才能がある人のことだと言うこともありますからね。
確かにそうですね。
一つのことに対する情熱は並々ならぬものがありますよね。

物語に触れて考えてくださり、本当にありがとうございます。
またお時間がありましたら立ち寄ってください。そして、読んでくださるとなお嬉しいです!!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/20 22:17分 
  • [Edit]

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