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ハロウィン(笑)

執筆中の作業BGM    KREVA  『今夜はブギー・バック』

↓本編↓


久しぶりにリューガ邸へ帰ってきたときのことだった。

アタシはかつてないほど言葉を失った。

「なにやっての、アンタたち……」

レムオン、エスト、セバスチャンの三人が――――オカシカッタ。


レムオンはエストの服を。
エストはセバスチャンの服を。
セバスチャンがレムオンの服を、それぞれ着用していた。

「なにそれ。なんの騒ぎ?」

レムオンは顔をしかめてそっぽ向き、エストは照れて、セバスチャンはほがらかに笑った。

「今日はハロウィンですよ、ケイト様」
「え? あぁ、うん」
「ハロウィンといえば仮装。なのですが、我々は貴族の身。
 あまりハメを外した格好もできませんし、こうなったわけです」

こうなったわけですって、アンタ……。
とりあえず、アタシはレムオンに近づいてこう言ってやった。

「だせぇ!!!!」
「くっ、笑うな貴様!!」

エストだからこそ似合っていた、王子様のような服。
それをレムオンが着るとは、酷い。これは酷い。

最高に面白い!

「アヒャヒャヒャヒャ!」
「叩っ斬るぞ!!」

こんな面白いことを思いついてくれたのはいったい誰なのだろう。
思わずセバスチャンに尋ねていた。

「ああ、それはエスト様とティアナ様でございます」
「はぁはぁ、あ~笑いすぎた。そっか、へぇ。面白いことを思いつくねぇ」
「そうでしょう、そうでしょう?」

エストは「えへへっ」と誇らしげに笑っていた。
背後から冷たい視線が送られているとも知らずに……。
アタシは苦笑しつつ、セバスチャンに向き直った。

「肝心のティアナ様はどこ?」
「もうすぐ参られると思います」
「そっかそっか」
「おいケイト」

レムオンの声は明らかに怒りが滲んでいた。
アタシは顔だけを向けた。

「なぁに?」
「お前ももちろん仮装するだろう、いや、拒否権などない」

だろうな、とは思っていた。
かわいそうなお兄様、ひとりだけそんな格好 (エストに失礼) をして。
アタシはレムオンに詰め寄った。

「その格好がそーんなに恥ずかしい?」

ああ、どうしよう。つい調子に乗ってフェティみたいな高飛車な言い方になってしまう。
でも楽しいからしょうがない。楽しいのだからしょうがない!

「貴様……」
「まぁ、そう怒りなさんな。お兄様」

とんとん、と肩を叩いてやる。それから、レムオンの肌理(きめ)細やかな頬に指を滑らせる。

「アタシに全部脱いでほしいの? ん?」
「なっ、誰がそんなことを頼んだ!!」
「あれ? 自分より恥ずかしい格好をさせようと思ったんじゃないの?
 そっかぁ。それじゃあ、お言葉に甘えて、適当に似合う服を見繕っておくねん」

いたずらが過ぎたか。
レムオンの眉間のしわがいっそう深まってしまった。
でも楽しいからいい。
さらに追い討ちをかけようと息を吸ったときだった。

ガチャ――。

控えめに部屋の扉が開けられた。
誰と問うまでもなくティアナだと思って、笑顔を浮かべて振り返った――。
アタシは、再び言葉を失った。
それはレムオンもエストも、セバスチャンもだった。

ティアナはすこし顔を赤らめて、おずおずと入ってくる。
ドレスだった。
うん、ドレスは良いんだ。
よりにもよって……。

「ティアナ様?」
「えっと、どうでしょう」
「いや、あの……うん、いいかも。な、レムオン!」
「えっ! あ、ああ。似合っているんじゃないか。というかむしろ」

似合いすぎてなんか怖い――。

ティアナの着ているドレスは、真紅のドレス。
エリスを彷彿とするドレスだった。

ティアナはアタシの両手を握った。

「ケイト様も仮装してくださいますよね?」
「え、ああ。うん、そのつもり」
「ケイト様にぴったりな衣装をお持ちしましたの!」

ぐいぐいと手を引っ張っていかれて、待機していたメイドと一緒に隣の部屋へと移った。
取り出された衣装にアタシは正直、顔を引きつらせた。

「冗談だよね?」
「まさか! きっと似合いますわ!」
「冗談でしょう……」

ティアナの押しに負けて、アタシはそれを渋々身につけた。
いや、だってさ、エリスみたいな格好しているティアナってけっこう怖いよ。
逆らったら何をされるんだろうって思うよ。

女は度胸。思い切りドアノブを捻り、覚悟を決めて部屋に戻る。
レムオンに嘲笑される覚悟でみんなの前に出てみた。

静寂。

辛いっ。

「どうでしょう! ケイト様の巫女服は!」

ふんっ、と鼻を鳴らすティアナ。
ティアナはどんな手を使ったのか知らないがシャリに頼んで、
アキュリュースの巫女服を持ってきてもらったのだった。

シャリを顎で使うティアナって……。

露出が高くてどこもかしこもスースーする。

エストとセバスチャンはにこっと笑い、小さく手を叩いた。

「素晴らしい! お似合いですケイト様!」
「うん。とっても可愛いよ、ケイト」

それが馬鹿にした感じでも、おだてているわけでもなかったから正直ほっとした。
レムオンはというと。

「あの、レムオン?」
「……だせぇ」
「うぅ」
「って言ってやりたがったんだがな。……似合う……」

ぼそりと呟かれる言葉。
嬉しいんだか、恥ずかしいんだかわからないけれど、顔が熱くなった。

「ティアナ、もう脱いで良い?」
「ダメです! パーティーは今からですよ!! さあ、始めましょう!」

ティアナが手を叩き、テーブルにご馳走が並んでいく。
キャンドルの光。ご馳走の匂い。
みんなの笑い声。

とっても恥ずかしい、これ以上ないほどの辱めを受けている気がするけれど。
みんなが笑顔ならそれでいいのかもしれない。
今日は忘れられない一日になりそうだ。

色んな意味で。

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