FC2ブログ

すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

Entries

似たもの同士

ゼグナ鉱山。
ケイトはたった一人、モンスターを斬り捨て奥地を目指していた。
息せき切ってやっとの思いで辿り付いた場所に、イーシャとシャリはいた。

「イーシャ!!」
「ケ、ケイト……」

艶やかな赤い髪をもつ女性は突然現れたケイトに驚き、うしろめたさに顔を逸らした。
イーシャの前に立つ黒髪の美青年は楽しそうに笑った。

「やあ、ケイト」

「シャリ。アンタ、イーシャになにをさせるつもりだ!」
「やめてケイト! ……私の願いを叶えるためなの……」
「なにを言って」
「イーシャはね、命を犠牲にしてまで救ってくれたジリオンを、今度は自分の命で助けてあげるんだ。
 この同化の髪飾りで、ね」

イーシャは不安げに手を胸元に寄せ、服をぎゅっと握った。
しかし、覚悟を決めた瞳でケイトを見据える。

こんなこと間違ってる。
ジリオンはイーシャにそんなことをしてほしくて助けたわけじゃないはずだ。

「ふふっ、ふふふっ」
「なにが可笑しい」
「ケイト、君が来てくれたお陰でいいことを思いついたよ」
「え……?」

いぶかしむと、シャリはいっそう嗤うように目を細めた。

「ケイト、君のソウルを使えば良いんだ。イーシャとジリオン、可哀想だと思わないかい?
 この悲恋を成就させるために、ひと肌脱いであげたらいいんじゃないかな。ねぇ、勇者様」
「お願い、それだけはやめて!」

イーシャの悲痛な叫びが坑道に響いた。
シャリは聞く耳を持たず、ケイトをじっと見つめた。
あの目はすべてを見透かしている。

「いい考えじゃない、シャリのわりに」
「ふふっ、失礼な人だな君は」

シャリはゆっくりと手を掲げ、ケイトの命を使う準備を始める。
イーシャはケイトに駆け寄り思い切り抱きしめた。
すがるような眼差しに心が痛む。

「嫌よ!!」
「イーシャ、聞き分けてちょうだい」
「嫌ったら嫌なの! もう……これ以上、大切な人を犠牲にしたくない!」
「イーシャ」
「そんなもので成り立つ命なんていらない!
 お願いだから……私のためにそんなことを言わないで!」

イーシャの声に同化の髪飾りが反応し、光り輝いた。
シャリはふっと笑った。

「さあ、願いを叶えよう」

二人はまばゆい光に包まれ、かたく目を閉じた。

*   *   *   *   *   *   *

次に目を開けたとき、そこにはクリスタルに封じられたジリオンがいた。
イーシャは硬直し、今にも泣きそうな顔をした。

「ジリオン。ここでずっと……私の、ために……なんで……」

シャリはちらりとケイトを見た。
ケイトの意志は揺らいでいない、シャリはそれを見抜いた。
ケイトから視線をはがし、嬉しそうにクリスタルを眺める。

「叶えられなかった願い、叶えられない願いを叶えるのが僕の使命」
「シャリ、アンタまさか――――」

温かな光がクリスタルの部屋に満ちた。
すべてが終わったとき、ジリオンはクリスタルの束縛から解放され、イーシャとともに倒れていた。
ケイトだけはシャリをじっと見ていた。

「さあ、これで僕の仕事は終わり。同化の髪飾りはもらっていくよ」
「いいの?」
「え?」
「アタシを消したかったんでしょう? これでいいの?」
「うん。これでいいんだ」
「そう……ありがとう」

シャリはきょとんとして、それから口元を綻ばせた。

「君って人は、変な人だね」

閃光が走る暗雲に包まれ、シャリは姿を消した。


*   *   *   *   *   *   *

――――パァン!

宿屋の一室に鋭い音が響き渡った。
イーシャはケイトの頬を思い切りひっぱたいたのだ。
目を丸くするケイト。
なにがなんだか分からないまま、驚くジリオン。

「どうして、自分を犠牲にしようとするのよ」

イーシャは怒っていた。
怒鳴り散らさないから、きっとそれだけ怒っているのだと思った。
ケイトは言い訳をしようとは思わなかった。
ただ「そうする方がいいと思った」と素直に告げた。
それがいっそう、イーシャの怒りを深めるだけだとしても。

イーシャのキレイな双眸から、ポロポロと大きな水の粒があふれ、こぼれていった。

「いつもそう。ケイトが犠牲になれば全てがうまくいくとでも思っているの?」
「うん、思ってる」

再び手が上げられそうになったが、ジリオンが咄嗟にその手を捕まえた。

「イーシャ、やめるんだ」
「っ……。次、もし自分を犠牲にしようとしたら絶対に許さないんだから」

ケイトは無表情で、イーシャを見返した。

「ケイトがいなくなって、悲しむ人がいるんだから、もう二度としないで。
 あなたがいないことで絶望する人だっているんだから!」

返事もせず、頷くこともしないケイトにイーシャは傷ついた顔をした。
ジリオンの腕を振り払うと、イーシャは苦し紛れに叫んだ。

「ケイトのバカ!」

そのまま部屋を飛び出していくイーシャ。
ジリオンは追いかけようかどうしようか迷って、結局やめた。

「いいの? 追いかけなくて」
「お前とは初対面だが……。お前のほうが重症だと思ってな。
 なんでイーシャの思いに応えてやらないんだ」
「約束は、できないんだ。助けられると分かっているのに、助けないのは卑怯者だ。
 アタシはそんな奴に成り下がりたくはない。だから、約束はできない」
「だが、それでイーシャは悲しんでいる。お前はそれでいいのか?」

ケイトは苦笑し、ジリオンの肩を突いた。

「アンタが言えんのかよ?」
「っ、まあ、そうだな」
「イーシャも、アンタも、アタシもきっと似たもの同士なんだ。
 大切な人がいたら命をかけようとしちゃう、バカなんだ」
「言い返せないな」

ククッとジリオンは笑った。

「帰ってきたら、アタシもまったく同じこと言って、この部屋から出てってやろーっと。
 どんな顔をするか楽しみ」
「嫌な奴だな」
「そしたら、アンタたち二人きりになれるだろ?」

にっとケイトは笑い、窓から外を眺めた。
イーシャがばつ悪そうな顔をして帰って来るであろうことを思い浮かべて。

ブログトップへ戻る
スポンサーサイト



*Comment

こんにちは! 

こんにちは!

ジリオンは仲間にした事が無いのですが
確かエンディングでイーシャと結婚するんでしたっけ?
当時、恋人同士の仲間って凄く新鮮でしたw
ケイト、他人は大事に出来るのに自分の事に関しては無頓着だからなぁ・・w
でもそんなケイトだから仲間が着いて来てくれるんだと思いますw
冒険編もとても素敵ですね♪
  • posted by kaorin114 
  • URL 
  • 2013.01/05 14:05分 
  • [Edit]

Re: kaorin114 さんへ 

こんばんは!
訪問&コメントありがとうございます^^

> ジリオンは仲間にした事が無いのですが
> 確かエンディングでイーシャと結婚するんでしたっけ?
> 当時、恋人同士の仲間って凄く新鮮でしたw
私はいつもジリオン放置してました。
歴史区分が進むにつれて忙しくなるので、仲間にする余裕がなかったんです(笑)
ジリオンとイーシャはエンディングで結婚しますね。
気分的に面白くないのでエンディングは見てません☆

> ケイト、他人は大事に出来るのに自分の事に関しては無頓着だからなぁ・・w
> でもそんなケイトだから仲間が着いて来てくれるんだと思いますw
> 冒険編もとても素敵ですね♪
ありがとうございます!
身を犠牲にするような選択肢ばっかり出るので、
このような性格を設定しました。
また冒険者編を更新したいと思っています♪
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.01/06 00:41分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

カウンター

ブログランキング

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ  

FC2Blog Ranking

ワンクリックで応援お願いします!

最新記事

プロフィール

デジャヴ

Author:デジャヴ


二次創作小説・オリジナルファンタジー小説を書いています。訪問して下さった皆様に少しでも楽しんでいただけると幸いです。

恋愛小説サイト『恋砂糖*ひと匙』も運営中


【補足と注意】

・過度な性描写・暴力シーンはありません。

・原作キャラでの同性愛は一切書きません。

・コメント、感想はありがたく頂戴いたします。誹謗中傷やマナーのないコメントは受け付けません。

・当ブログを利用するにあたり、一切の責任は負いかねます。あらかじめご了承ください。

・小説、イラストともに転載・複写×
著作権は放棄しておりません!

以上の点をご理解いただけますことを心よりお願い申し上げます。まだまだ不慣れですが、温かく見守っていただけると幸いです。

右サイドメニュー