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すっごくRPG!!

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あなたのために…

ゼネテスとレムオンがメイド長に叱られているところで、声がかかった。

「なにやってんだよ、アンタたち……」

バスローブ姿で頭を拭きつつ現れたケイト。
ゆったりと着ているせいで、胸元が露になり谷間が見える。
ゼネテスとレムオンは視線をそらし嘆息した。

「しっかり着ろ。風邪をひくぞ」
「へへっ、色っぽい?」

小指をかじり甘えるような目をする。
レムオンは容赦なくケイトの額を弾く。

「った!」
「いいから行くぞ。姫を待たせるな」

*   *   *   *   *   *

三人で一緒に部屋に帰るとアトレイアが振り返り、ぱっと笑顔をつくった。
アトレイアはケイトを迎え、手を引いた。

「お待ちしておりました」
「その顔からすると、助かったって感じだね」
「あっ、いえっ……その……」
「冗談だよ」

ケイトはゼネテスの胸板を軽く叩いた。

「さっきのアトレイアの笑顔可愛かったな」
「ケ、ケイト様っ」
「おう。なかなかだったぜ」
「あーいう顔もできるんだ?」
「もう……よしてください」

恥ずかしさですっかり恐縮してしまったアトレイア。
耳まで真っ赤にした姿にケイトは声を出して笑った。

「そろそろいいか?」

レムオンの咳払いに気付き、ケイトはレムオンの腕に絡まった。

「お兄様ぁ、ケイトになにをプレゼントしてくださるのぉ?」
「キモチワルイ」

露骨に顔をしかめられ、ケイトは舌打つ。
レムオンは鬱陶しそうに腕を振り払うと、長いテーブルに四着のドレスを並べた。
ティアナは水色のドレスを手に取り、ケイトに見せた。

「これは私が選びましたの」
「へぇ。ティアナらしい色だね」
「お気に召しました?」
「アキュリュースの巫女が着てそうだ」

ざっくりとした感想を述べたせいで、ティアナは目に見えて傷ついた顔をした。
ケイトは慌てて訂正した。

「いや、なんていうの? 清楚っていうか、洗練? されてる? みたいな。キレーだな、うん!!」
「そうでしょう!」
(はあ……)

*   *   *   *   *   *

ゼネテスは大人しい色味をした、ベージュのドレスを指差した。

「これは俺が選んだ物だ。ドレスは大人しい色だが、小物を使えばそれなりに見えるだろ」
「殿方のくせに、よくアクセサリーの使い方がお分かりで。
 いったい誰に教えてもらったのかしら?」

ティアナの一言に、ゼネテスは苦い顔をする。

「いいだろう別に」
「そういじめてやるなティアナ」

思い出したように噛み付くティアナを諌めて、レムオンはケイトに向き直る。

「どうだ?」
「けっこう私好み。華やかなのは苦手なんだ」
「そうか」
「……それじゃあ……わ、私のはナシで」

*   *   *   *   *   *

アトレイアはドレスを抱えて後ずさる。
ケイトは小首を傾げた。
白い生地に金色の刺繍が入った、天使を思わせるようなドレスを持っていた。

「見せて? アトレイア様」
「で、でも……」
「あなたが選んでくれたものだから、嬉しいよ。なんでも」
「あっ……はい……」

頬を赤らめるアトレイアの手を掴むと、背後から殺気を送られた。
誰とは言わなくてもわかる。
扱いの違いに不満を爆発させているのだろう。

「ちょっとケイト様?」

ケイトは振り返り、ティアナの手を引き、白い甲に口付けた。

「怒らないで。可愛い顔が台無しだ」
「なっ……まったくもう……」

乙女たちのやり取りを見て、ある人物がこそこそと動き出す。
ゼネテスはレムオンにこそっと耳打ちをした。

(なあ。あいつ俺たちより女の扱い上手くないか? あいつ、あっち系なのか)
(馬鹿言え。これ以上ライバルが増えてはたまらん)
(は? ライバル? なんのだよ)
(うるさい、黙って見てろ)

ケイトは純白のドレスを自身にあてがい、苦笑した。

「なんだか、私には似合わないな。結婚式みたいだし。やっぱりこういうのはさ」

アトレイアの肩を抱き、そっと耳元に囁いた。

「着る人を選ぶんだ。あなたのような美しい――ったあ!!」
「遊んでないでさっさと次にいけ」

後頭部に痛烈な一撃を与えられ、ケイトは涙目でレムオンを睨んだ。

「妹を大事にしろよなぁ」
「大事にされたいなら、それ相応の言動をしろ馬鹿たれが」
「んだよ。で? お兄様の選んだドレスは?」

*   *   *   *   *   *

レムオンが自信満々に手に取ったドレス。
深緑のドレスで、やたらと胸元が開いたデザインだった。

「正気か?」
「お前には色気がない。粗雑で物ぐさで、男くさいんだ。
 それを補うとしたら、こういったデザインのものしかないだろう」

ケイトは「う~ん」と唸って、お三方へと振り返った。

「あなたたちは、アタシにセクシーさって求めてる?」
「いや、別にまったく」
「それはどうでしょう……」
「ケイト様は今も充分セクシーです!!」
「アトレイア、そんな凄んで言わなくてもいいんだよ」
「あっ、私ったら……ごめんなさい」

それぞれが黙り込んだとき、レムオンはケイトを見た。

「俺は、お前に聞いているんだ。好きか、嫌いか、どっちだ?」
「似合うか、似合わないかの問題だろ」
「いいから答えろ」
「……あ~、似合うなら? どっちかっていうと好き」
「うむ。そうか、さすが俺の妹だ」

同情されていることに気付かないのか、レムオンは嬉しそうに胸をそらした。
ケイトは「ああぁ」とうんざりとした顔でうなだれた。


《次回最終回》じゃれあい

レムオン編作品リンクへ
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