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ドレスと妄想と胃痛と

リューガ家、つまりレムオンの屋敷に、ケイト、ゼネテス、ティアナ、アトレイアは集められた。
レムオンは豪華なイスにケイトを座らせ、イスの背もたれに手をついた。

「こほんっ。本日集まってもらったのは、みなに手伝って欲しいことがあるのだ」
「なんですの? レムオン様」
「この物ぐさで」

ばしんっとケイトは後頭部を叩かれる。
 
「った!」
「馬鹿な妹のために、宮廷に出入りする際の服装を決めてもらいたいのだ」

ティアナ「まあ」
ゼネテス「なんで俺まで……」
アトレイア「ケイト様、大丈夫ですか?」

それぞれがいっせいに声をもらした。
ケイトは寝癖がついた髪を手櫛で整えたところで、控えていたメイドに連れて行かれた。

「それで? 具体的にどうすりゃいいんだ?」

ゼネテスが口火を切り、レムオンは「パンパンッ!」と手を叩いた。

服屋の行商が現れ、部屋中にドレスや小間物が並べ立てられた。
ティアナとアトレイアは顔を見合わせ、嬉しそうに自分の世界に入り出す。
コレ可愛い、アレ素敵と盛り上がる二人をよそ目に、レムオンは真剣な表情でゼネテスに言った。

「あの馬鹿が仕事を終わらせてそのまま宮廷を出入りしていると聞いてな。
 小汚い格好で来ると兵士たちのなかで有名になってしまっているんだ。
 このままじゃ俺の面目も丸潰れだ。
 ティアナとアトレイア様はああだが、俺は真剣に悩んでいる。
 貴様は敵だが、今回ばかりは手伝ってもらうぞ」

「なんでそうなるんだよ。お前が決めれば良いだろ」
「そうもいかんのだ。俺が決めたやつは趣味が悪いと却下して着ようとしない」
「はあ!? どんなもんだよ」

レムオンは「ふむ」と頷くと、近くにソレらしいものを見つけ引っ張り出してきた。
漆黒に銀糸の刺繍が入った、いかにもお堅いドレスだった。

「魔女か? お前は魔女が好きなのか?」
「なに? ハッ、貴様ごときにこのセンスは理解できないようだ。
 しかし……ケイトも同じことを言っていた」
「だろうな」
「と、とりあえずだ。お前たちが一生懸命選んだ姿を見れば、
 アイツもその気持ちを無下にできず着用すると思うのだ。
 リューガ家の品位を落とさない程度の物を選んでくれ」

ですが、と言いよどむアトレイア。

「私、ケイト様が気に入るようなドレスを選べるのでしょうか……。
 レムオン様がお手に取ったドレスも素敵だと思うのです。
 もしかしたら、ケイト様の趣味に合わないのかもしれません」
「心配ありませんわ! アトレイア様。私たちは淑女。女の好みは知れずと理解しているものですわ」
「そう、でしょうか……」

ティアナのハツラツとした表情に気圧(けお)されて、アトレイアの微笑みがひきつる。
四人それぞれが真剣にドレスを選んでいる間、ケイトはメイドたちに体を洗われていた。
しばらく時間が経ったところでレムオンはメイド長を探した。
のだが、なかなか見つからずしょうがなく自分で浴室へと向かった。
そばに誰かいるだろうと思ったのだが、やはり誰もいない。

(おい、大丈夫なのかこの屋敷は……)

一縷の不安を抱えつつ、浴室へと声をかけようとしたところで。

「あっ……んっ……ふふっ」

ケイトの、やけに艶めいた声がかすかに聞こえてきた。
レムオンは目をむき、顔を強張らせた。

「ダメッ……んんっ、くすぐった――――んやっ!」
「そこはっ! ダメッ、ストップ! そこは自分で洗えるから!!」
「……もう、ダメ……無理……はあ」

頬に熱があがったところでふと我に返る。
レムオンは口元を押さえ、目を伏せた。

(俺はいったい何を考えているんだ……)

いつの間にか耳をそばだてていたレムオンに、背後から声がかかった。

「レムオン」
「なっ! び、びっくりした……なんだ貴様か」

ゼネテスは呆れ返った顔で、腕を組んだ。

「なにやってんだよ。さっさとケイトを呼んでこいよ。
 姫様方も俺も暇じゃないんだ」
「ティアナはそうでも、お前は年中遊び歩いているだろ」

ふんっと鼻を鳴らし、レムオンは壁にもたれた。
ゼネテスは意図を察し、仕方がなく浴室に声をかけようとした、ところで。
顔を一瞬しかめ、強張らせた。

「こりゃあ……やばいな」
「まったくだ」
「イイ声出すなぁ」
「貴様っ! ひとの妹を、そ、そんな卑猥な!」
「堅いこと言うなよ。お前も思っただろ」

もめているところに、メイド長の咳払いが響いた。

「お二方、なにをなさっておられるのです?」

その後、ケイトが風呂から上がるまでの時間、レムオンとゼネテスはメイド長に叱られたのだった。






「遅いですね、三人とも」
「え、あ、そうですね」

ティアナと二人きりになってしまったアトレイアは、今すぐにでも逃げ出したい気分だった。
いやな冷や汗が浮かび、動揺を押し隠せない。

(は、早く帰ってきてくださいっ)

「アトレイア様は、どのネックレスがお好き?」
「えっ、ええ~と、ぜ、全部好きです」
「まあ。ふふっ、アトレイア様ならどれも似合いそう。とても大人っぽいもの」
「あ、ありがとうございます」

羨望と嫉妬の対象であるティアナを目の前に、アトレイアの思考は混乱していた。
アトレイアは和やかな雰囲気に安堵しつつも、笑顔の裏で切羽詰まっていたのだった。

(ああ……胃が痛い……)


《次回》あなたのために…

レムオン編作品リンクへ
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