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星の民の少女 (02)

 
 
「でん、じゃなくてロランド!」

 片手をあげてテラスに上がってきた男は、ロランドとやはり似たような格好をしていた。唯一違うことといえば、頭に巻くはずの布が肩に掛けられていることだ。
 さっぱりと短い黒髪の男の名はカロン。
 王位継承第一位の王子であるロランドを、彼は幼い頃からそばについて守ってくれていた。ロランドの右腕ともいうべき人物であった。

 王位継承争いの真っ只中に、ロランドとカロンはわけあって王宮から抜け出し、旅に出た。王都はここから五日ほどかかる場所にある。抜け出すにあたって入念に準備をしてきたので、おそらく数日はばれないはずだ。ついでに王位継承の証である王冠を隠すという大罪も犯してきた。
 しかし、異母弟がそれに気付いて刺客を出すのは時間の問題だった。あれは何度も執拗にロランドを暗殺しようとした者だ。ロランドさえ潰せば、王冠など無視して強引に玉座につくに決まっている。おそらく、王冠が見つからないとなれば、どこまでもロランドを追ってくるだろう。

 ゆえに、身分を隠しての旅であった。
 さきほどの女に「お忍びか」と訊かれたときは、本当にひやりとしたものがあった。
 やはり明日には国を出て、できるだけ遠くへ行かなければならない。

「いい宿見つけたぜ。厩と厩番がしっかりしていたから、そのまま取ったが問題ないか」
「ああ」

 カロンが渋面する。
 なんだ、と目で問えば、「ムズムズする」とカロンが情けない声で答えた。
 どっかりと椅子に座って、勢いにまかせて円卓に肘をつき額を押さえた。

「殿下に敬語を使えないなんて、俺もうやだ……疲れる……」
「慣れろ。それより他にない」
「昨日今日でいきなり無理ですよ。何年そばにいたと……いえ、もういいです。でも、あれですよ、殿下」
「ん?」
「危険が迫ったとき、俺うっかり、殿下って叫んじゃいますよ、きっと」
「そのときは仕方ない。お前が盾になって斬られてくれ」

 ロランドは笑みをもらしながら杯に酒をそそぎ、カロンに渡す。
 カロンは肩を落とながらもロランドの厚意を受け取った。杯をあおったところで、カロンの視線がある一点を見つめた。
 ロランドはそばに立てかけていた剣に手を伸ばし、「追っ手か」と小さくたずねる。

「いや、違う。女の子だ。星の民の」

 カロンの視線をたどると、赤毛の娘がいた。年のころは十五、六ほどだろうか。
 雑踏のなかで立ち尽くし、キョロキョロと視線をさまよわせている。
 ポニーテールを三つ編みにきつく結った髪が、彼女の動きに合わせて揺れた。

「話しかけてみようっと」
「カロン」
「大丈夫ですよ。あの子は悪い子じゃなさそうだし。それに困っている子は放っておけない」

 これだから、ドゥー族は人が好すぎる。
 やれやれと頭を振って、ロランドは勘定を済ませてカロンに続いた。





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*Comment

No title 

ロランドは王子様だったんですねーヾ(*´∀`*)ノ
んー。王位継承が嫌で旅に出たわけではなく、
他に理由があるようですね。
星の民の女の子、どうしたのでしょう。
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2014.09/10 08:51分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

コメントありがとうございます。

ロランドやカロンについては、別のお話で掘り下げようと考え中です。
とりあえずは、「王子さま」でわけありな奴、くらいの印象でおっけーです。
次に出てくる女の子、わたしのなかで一番のお気に入りキャラです♪
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2014.09/13 22:25分 
  • [Edit]

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