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夏のスズラン 04

 雫と別れて――半ば強引に雫が帰宅して――ひかりは携帯を片手に住宅街をさまよっていた。
 あのあとすぐ彼、清次郎からメールが届いた。
 家に来て欲しいとの文面に、ひかりは目を白黒させ一人赤面しながら「分かりました」と返信した。

(先輩、どういうつもりなんだろう……)

 ひかりは、清次郎から教えられた住所と行き方を頼りに、とぼとぼと歩く。
 時折、熱いため息が出た。
 今日は日差しが強いから、息が熱くなるのだろう。
 そう無理やり自己完結して、頭の中の妄想を見なかったことにしている。

 そろそろ着くかという頃。
 家の前に清次郎らしき人物が立っていた。一軒家だった。

「あ……えっと、お疲れ」

 ひかりに気づくと、苦笑混じりに清次郎が言った。
 大学に入ってからメガネをやめて、コンタクトにした彼はいくらか柔らかい雰囲気になっていた。
 メガネを外した姿は自分だけが見られると優越感に浸っていたのに、彼は当たり前のようにコンタクトをつけるようになった。それが、なんだか寂しい。

(それにしても……)

 ひかりは両手を自分の頬に当てて、後ろを向いた。
 ドキドキと高鳴る心臓。
 今日は暑い。暑いから、清次郎の格好ももちろん、薄着で、露出もいつもよりか高い。
 男性に免疫のないひかりは、今の清次郎の姿が色っぽく見えて仕方がなかった。

(相変わらず、カッコ良すぎですっ)

「ひかり? どうした?」
「い、いえっ」
「ここじゃなんだから、家、入ったら」
「あ、はい。おじゃまします」

 玄関に通され、靴を脱ぎながらひかりは清次郎の背中に訊いた。

「家の人、いらっしゃるんじゃ?」
「母さんは婦人会に行った。父さんは、会社の付き合いで出てる」
「それじゃ、家には」
「誰も居ないよ」

 振り返った清次郎が事も無げに言った。
 ひかりは清次郎の視線を受け止められず顔をそらした。
 雫があんなことを言わなければ、変に意識しなくて済んだのに。
 
「二階に上がって、すぐ左手に扉がある。そこが俺の部屋だから、入ってて。飲み物持って行くから」
「えっ、あのっ」
「ずっと玄関で立ち話するわけにもいかないだろう」
「それは、そうですけど……」

 もごもごと口ごもり、踏ん切りがつかないまま抵抗するひかり。
 清次郎はそれを見て鼻で息をつき、ひかりに一歩近づいた。

「ひかりの手に触れたくても、触れられない。キスしたくても、できない。謝りたくても、謝れない。ここだと居心地悪いし、妙に落ち着かない。俺のテリトリーじゃないし。だから、大人しく従って?」

 さらりと凄いことを口に出された気がする。
 ひかりは手を口元に寄せて、眉根を寄せ、恥ずかしそうに俯いた。
 ドキドキと高鳴る心臓が口から出そうだった。





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*Comment

 

告白はひかりちゃんがリードを取ってましたが、
その後は清次郎君の番でしょうかねv-291

「漢を見せろ清次郎v-218

社会に出ちゃうと初々しいカップルって全く見なくなりましたが、
見ててじれったさが面白いんですよねw

リアルで見れない分はこのお話で楽しませて貰いますv-411
  • posted by takeshifarm 
  • URL 
  • 2013.12/07 09:26分 
  • [Edit]

Re: takeshifarm さんへ 

引き続き、コメントありがとうございます♪

「幸福の再来」では清次郎目線だったので、
「夏のスズラン」ではひかり目線でいきます。
ひかり目線だと清次郎がどう映るのか、楽しんで頂ければと思います。

> 社会に出ちゃうと初々しいカップルって全く見なくなりましたが、
> 見ててじれったさが面白いんですよねw
そうなんです、そうなんです!
だから、卒業したはずの少女漫画とか買っちゃうんです><
きゅんと来るような話が好きになってしまって……仕事で疲れているのかしらw
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.12/07 20:55分 
  • [Edit]

うきゃー(*≧∀≦*) 

>「ひかりの手に触れたくても、触れられない。キスしたくても、できない。謝りたくても、謝れない。ここだと居心地悪いし、妙に落ち着かない。俺のテリトリーじゃないし。だから、大人しく従って?」

え?ちょっ?え?今なんとおっしゃいましたか、清次郎さん!?
私の書く「俺様」キャラとはまた違った(私には書けそうにない)キャラですね。
そんなセリフをさらりという清次郎先輩も素敵ですが
そんなワンシーンをさらりと描けるデジャヴ様、神!です。
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2014.06/13 22:36分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

コメント、ありがとうございます^^

男の子の内面って真面目だろうと、チャラかろうと「野獣」だと思ってます。笑
ただ、ハメを外してしまうのか、自分を律して相手を大切にするのか。
そこで本当の真面目さが決まるんじゃないかなぁって思います。
きっと、清次郎は自分を律する性格です。
律して律して、最後には爆発しちゃうんだろうけどww
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2014.07/08 14:11分 
  • [Edit]

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