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夏のスズラン 03

「怒るとすぐ泣くんだから」

 ひかりは雫にファミリーレストランへと連れ出され、泣きはらした目をおしぼりで冷やした。
 雫は頬杖をつきながらストローを口はしにくわえてジュースを飲んだ。
 今日の雫は髪をポニーテールにして、夏らしい姿をしていた。

「雫ちゃん、ごめんなさい」
「ええ。そうね、すっごく迷惑かけられているね」
「ごめんなさい……」

 ぐずぐずになった鼻にティッシュを当てて、ひかりはしゃくり上げた。
 雫はひかりの手元にある携帯を指先で小突いた。

「で? 会長様にはお電話したの?」
「してない」
「なんでよ」
「だって……だって、うぅっ」

 今度はおしぼりで口を覆って、盛大に泣き出した。
 雫は一瞬詰まった顔をして周囲を見渡した。痛い視線が周りから向けられ、やれやれと頭を振った。

「あんたって、どうしてそうブサイクな泣き方ができるわけ? 男らしすぎるわ、その泣き方」
「だって、だって」
「だってなんだもん、ってか。あ~あ、やんなる。ちょっと携帯貸して」
「な、なにするの!?」

 雫がひかりの携帯をさっとかっさる。
 ひかりが腕を伸ばせば、雫は優雅に身をそらして携帯を耳にあてた。
 ひかりは双眸をぎょっと見開き、わたわたと慌て出す。

「ああ、すいません。千里ひかりの友人の二葉(ふたば)と言います。ええ、そうです。はじめまして」
「し、雫ちゃん!?」
「ひかりの子守には疲れたので、そろそろお手を貸して頂ければと思ったんです」
「先輩に掛けたの? 掛けちゃったの?」

 雫は肩をすくめる。どうやらそういうことらしい。
 どうして掛けてしまったのか。
 何を言うつもりなのだろうか。突然代わられたら、どうしよう。

「先輩。大学生活はどうです? やっぱり高校と違いますか。……そうですか、そうですよね。ひかりが言っていたんです。オープンキャンパスに行って分かったって。高校生は子供なんだって言っていました。ひかりが何を見て、そう思ったのか知りませんが、そう感じたんだそうです。これはつまり、先輩は大人の仲間入りをしてしまった、ということなんだと思います」
「雫ちゃん……」
「ひかりは、先輩の隣に並びたいんだと思います。だから、いろいろと焦って空回って、泣いているんです」

 雫は淡々と、物怖じすることなく電話越しの彼に伝えた。
 その間、ひかりの手を握りながら。大丈夫だと、励ますように優しく包んで。

「ひかりは大人になりたがっています」
「……あの、雫ちゃ」
「先輩なら、これ、どういう意味かわかりますよね?」

 雫は薄く笑って、ひかりを見た。
 その問いはひかりに対しても向けられていた。
 聡いひかりはすぐに目を見開いて、顔を真っ赤にした。

「な、なんてことを!!」
「それじゃあ、先輩。あとは先輩に任せますので。ええ、それでは」

 ピッと音を立てて雫は電話を切り、握っていたひかりの手のひらに携帯を戻した。

「私の睡眠を邪魔したバツは、ザトウクジラの体より重いのよ」
「意味が分かりません……」

 ひかりはがっくりと頭を落として、涙を流した。




つづく

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*Comment

 

いつのまにか続編(番外編ですか!)が!!!
って雫ちゃんの攻撃性がハンパないんですけどwww

>>「ひかりは大人になりたがっています」
>>「……あの、雫ちゃ」
>>「先輩なら、これ、どういう意味かわかりますよね?」


私は♂なので解らないんですけど、実際本人がコレやられたら
どんな気持ちになるんでしょうかね・・・。

やっちゃったねぇ~雫ちゃんv-399v-356

という事で外野は黙って観戦します☆
次の話に行こう!!
  • posted by takeshifarm 
  • URL 
  • 2013.12/07 09:14分 
  • [Edit]

Re: takeshifarm さんへ 

こんばんは^^
訪問、コメントありがとうございます♪

続編リクエストがありましたので番外編つくっちゃいました(`・ω・´)
雫はちょっと私に似てます。言う言葉はきついけど、友達を捨てきれない性格ww
ついついそういうキャラ作っちゃうんですよね。
続き、ご覧下さい!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.12/07 20:50分 
  • [Edit]

まさかの展開に! 

Σ(゚д゚lll)雫ちゃんー!!!!!

なんだか、生徒会室の下の花壇にすずらんを植えて、
「行ってもいいですか?」と窓越しに清次郎に問うあの時から
もう時が随分経ってしまったんですね。

って、
「先輩なら、これ、どういう意味かわかりますよね?」
なんて友達に自分の携帯越しで言われたら、
私だったら、次、どんな顔で先輩に会えばいいのか分かりません(>_<)
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2014.06/13 22:29分 
  • [Edit]

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