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【恋愛】 幸福の再来~白い蕾をつける花~  12

「春が来たら、私の恋は終わるはずでした。終わるはずだったんです。だけどあの日、ここの窓が開いたんです」

 泣き声のまま、千里ひかりは囁いた。

「この教室で会長は……私を見つけた」

 鮮明に思い出せる。

『寒っ! セーンリさ~ん!』

 去年の春――副会長の突飛な行動から始まった、あの日のことを。

『マジ、おもしろい人なんですよね。天然って、いいっすよね』
『天然……』

 彼女の一面を、初めて知った瞬間だった。

『千里さ~ん、寒くないの?』
『寒いですー!』
『ははっ、だよね! こっちおいでよ』
『お邪魔してもいいんですか』

 驚き眼で見上げてきたことも。
 彼女の足元で揺れるスズランのことも。
 全部、覚えている。

「嬉しくて、だけど、怖かった。
 好きで、好きで、たまらなくなって、もっとキモチワルイ行動してしまうんじゃないかって。
 ただでさえ、生徒会役員になってあなたに近づこうとしていたのに。
 こんな自分は嫌でした。
 こんなのまともじゃない……分かっているのに、止められないんです」


 清次郎は顔をゆがめた。
 千里ひかりが痛々しいものに見える。

 千里ひかりは震え声で呟く。
 分かっている。
 分かっているんだと繰り返す。
 自分はキモチワルイ人間だと言って自分自身を傷つけて、彼女が守るものは何なのか。
 分からない。
 分からないけれど、心を抱きしめてあげたいと思った。
 心を抱きしめるにはどうすればいい。

「……ひかり」

 清次郎は優しく囁いた。
 彼女の名前を呼ぶのは初めてだった。
 千里ではなく、「ひかり」と呼ぶと心が近づいた気がした。

「ひかり」

 もう一度、呼んでみる。
 何度でも呼んでみる。

「ひかり」

 千里ひかりは、瞳を揺らして清次郎を見つめた。
 名前を呼ぶたびに彼女の表情が和らいでいった。
 伸ばしてくる手を、清次郎は優しく包み込む。

「ひかりの手は、いつだって冷たいんだな」





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*Comment

No title 

会長ーーーーー!

そこは抱きしめて、キスで涙を拭って、押し倒して(え)

二人の不器用な、でもピュアな恋が素敵でした!
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2013.11/02 22:16分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

こんばんは^^
訪問、コメントありがとうございます♪

抱擁からのキスも考えたんですけどね(笑)
もうちょっと焦らしたかったんです(o゚c_,゚o)

  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.11/08 21:10分 
  • [Edit]

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