FC2ブログ

すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

Entries

決闘と賭けの行方

ゼネテスはケイトの男装に魅入っていた。
スラックスから浮かび上がる男のそれとは違う、細い脚。
厚手の上着であるにも関わらず、女の身体だと確かに思わせるシルエット。
唇を引き締めゼネテスを見つめる眼差しは、凛とした強さを感じる。
ティアナが駆け寄り、ケイトの腕に触れる。

「無茶です! あの方には敵いません。どうか怪我をする前に」

お姫様と王子様。
そんな絵が出来上がる。
眼福(がんぷく)、眼福。
ティアナの心配をよそに、ケイトは頭を振った。
なおも言い募ろうとするティアナの唇に、ケイトの人差し指が触れた。

「あなたのために、勝利の花を」

(クッ、よく言うぜ)

ゼネテスは微かに笑って、剣を抜いた。
ケイトはティアナを下がらせて剣を掲げた。
愛おしそうに剣に触れ、柄にキスをした。
伏せがちな目でゼネテスを見る。

(ったく、絵になるなぁ。お前は)
「さぁ、勝負といこうか。王子様?」

ケイトがにやりと笑う。
これが、ケイトの本性だ。
ぞくりとした歓喜が背中を這い上がり、ゼネテスはゆっくりと構えた。
ケイトはふわりと髪を揺らした。
重心移動を認めた瞬間――――― 一直線に駆け出し、剣を突き出してくる。

(さすがなだな。やるとなったら速攻か)

「わあっ!!」と歓声が上がる。
ゼネテスとケイトの剣先がぶつかり合う。

「さあ! 諸君、どちらに賭ける? ゼネテスに賭ける者は私から赤い薔薇を受け取りなさい。
 ノーブル伯ケイトに賭ける者はレムオンから白い薔薇を!!」

エリスの声に、ホールの熱が一気に高まる。
レムオンは白い薔薇が入ったかごを、兵士から渋々受け取った。
すると、ティアナは迷うことなくレムオンのそばまで走ってきた。

「くださいな」
「良いのか? 婚約者を応援しなくて」

苦笑するレムオンに対して、ティアナは少しむくれた。

「私は……母の味方にも、あの方の味方にもなりたくありません」
「そうか」

レムオンは白い薔薇をティアナに差し出した。
ティアナは頬を染めて嬉しそうに受け取った。

(泣いて喜ぶのは俺、か。よく言う)
「レムオン様、なんだか嬉しそう」
「いや。愚かな妹に振り回されるのも悪くないと思って、な」

ティアナは鈴のような声で笑い、ケイトを見守った。
一方、ケイトはゼネテスと本気の勝負をしていた。
ただのゲームだったはずなのに、血が騒ぎ、剣先に熱がこもる。

「おいおい。これはゲームだぜ? っと!」

ひゅんっ、と刃が風を切り裂き、ゼネテスは二、三歩下がって微苦笑した。
周囲がどよめき、エリスもわずかに目を見張った。

「今の当たってたら、王妃に首をはねられていたぞ」
「当たってないだろ」

ケイトはしれっと言い捨てて、追撃を始める。
リズミカルに足を運び、体を反らし、ターンをする。
ダンスを踊るよりずっと良い。

「ケイト」

レムオンは静かに声を発した。

「そろそろ飽きてきた。さっさと終わらせろ」

戯れの一言に貴族たちは声を潜ませて笑っていた。
ケイトは返事もせずにゼネテスから繰り出された一撃を避け、剣を弾きあげた。
まさかここまでケイトに力があると思っていなかったゼネテスは、顔をしかめた。

「クッ」
「終わりだ」

ケイトの瞳が怪しく光る。
一気に間合いをつめるケイト。それはゼネテスも同じだった。

「そこまで!!」

エリスの一声に、周囲は静まり返った。
ゼネテス。
ケイト。
互いの剣先を喉元にあてがい、荒い息で睨みあう。

「引き分け、のようだな。賭けは引き分けだ。さあ、パーティーの続きを楽しもう」

エリスが幕を下げ、ホールには拍手と歓声が沸き起こった。
ケイトは軽く舌打ちをし、剣を下ろすと踵を返した。
シュッと剣を一振りして鞘に納める。

女性陣が一気にケイトに群れ、ケイトは複雑そうな笑みで対応する。
ゼネテスはそれを見つめ、己の手が震えるのを感じていた。
ケイトの一撃、一撃が重かった。

「手加減なさってくれたのですね。よかった、あの人に怪我がなくて」

いつの間にかティアナが隣に立っていた。
そうか。ティアナの目にはそんな風に映っていたのか。

「……手加減されたのは、こっちなんだけどな」
「えっ」
「あいつは今以上に強くなる……。竜王はそれを見逃さないだろう」

ケイトは白い薔薇をレムオンから受け取ると、ティアナを探した。
ティアナが軽く手を振ると、ケイトはわずかに微笑んで薔薇にキスを落とす。
それを掲げて、軽くウィンクをしてみせた。

「まったくキザな野郎だぜ」
「そのキザな方と一緒に踊るのですよ? ふふっ」
「俺は踊る気なんてまったくない。それはアイツもだ。ふけるために俺を選んだんだよ」

ぽかんとするティアナをよそ目に、「クククッ」とゼネテスは笑うとエリスの元へ戻った。



ありがとうございました&お疲れ様でした
  クリックしてくださると励みになります!!

ブログトップへ戻る
レムオン編作品リンクへ
スポンサーサイト



*Comment

 

女性が勇ましいのは良いことですね。そういえば、戦国時代の上杉謙信も女性だったかもしれない・・・という諸説はいくつかありますね。もっとも確証ではないですけど。女性はいつの時代も勇ましい人はいますね。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2012.11/14 07:14分 
  • [Edit]

Re: LandMさんへ 

訪問&コメントありがとうございます。
勇ましい女性、大っ好きなんです!!
武力でもって勇ましいのも好きですけれど、知力で圧倒する女性も大好きなんです!!

上杉謙信については、私も聞いたことがあります。
でも、どうなんでしょうね。
巴御前も架空の人物だと言うし、上杉謙信の女性説もあまり当てになりませんよねぇ(苦笑)
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.11/14 22:28分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

カウンター

ブログランキング

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ  

FC2Blog Ranking

ワンクリックで応援お願いします!

最新記事

プロフィール

デジャヴ

Author:デジャヴ


二次創作小説・オリジナルファンタジー小説を書いています。訪問して下さった皆様に少しでも楽しんでいただけると幸いです。

恋愛小説サイト『恋砂糖*ひと匙』も運営中


【補足と注意】

・過度な性描写・暴力シーンはありません。

・原作キャラでの同性愛は一切書きません。

・コメント、感想はありがたく頂戴いたします。誹謗中傷やマナーのないコメントは受け付けません。

・当ブログを利用するにあたり、一切の責任は負いかねます。あらかじめご了承ください。

・小説、イラストともに転載・複写×
著作権は放棄しておりません!

以上の点をご理解いただけますことを心よりお願い申し上げます。まだまだ不慣れですが、温かく見守っていただけると幸いです。

右サイドメニュー