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【恋愛】 幸福の再来~白い蕾をつける花~  06

 清次郎は窓を見て、ふとため息をついた。
 なにを話せばいいものやら。
 ただでさえ、気になっていた女子なのに――なにを話せば……。

「会長は、窓辺でため息をつくのが癖です?」

 千里ひかりは小首を傾げた。
 清次郎はわずかに振り返り、目を丸めた。

「どうして?」
「圭にぃが、あ、いえ……前会長が言っていたんです」
「俺のことを?」
「ええ。副会長には苦労を掛けさせてしまって、そのせいか窓に向かってため息をつくのが習慣になったって。あいつの幸せが口から抜け続けるばかりだって。本当だったんですねぇ」

 清次郎はメガネの奥で目を細め、ふっと笑った。

「感心された」
「あ、すみません。そんなつもりじゃ」

 千里ひかりは口元に手を寄せて、顔をそむけた。
 どこかばつ悪そうにもごもごと口の中で言葉を続ける。

「前会長と私は、その、親戚同士で……よく、会長のことを聞いていたものだから。つい」
「親戚同士」
「はい。圭にぃは会うたびに、会長のことを話してくれました」
「くれた?」

 彼女の言葉に引っかかりを感じ、おうむ返しに尋ねると彼女は頬を淡く染めた。
 目を合わせようともせず、だが訂正を入れるわけでもなく。
 どういうことだろう。
 清次郎は首をひねるばかりで、千里ひかりの心情を汲み取ることができなかった。

 千里ひかりは、空気を変えるように「こほん」と咳払いをひとつした。

「よく生徒会室はお昼になると賑わうと聞きました。どんな雰囲気なのでしょう?」

 尋ねられ、清次郎は思考を中断せざるをえなかった。
 頭の中に浮かび上がる風景。
 ぐっと胸に込み上げる懐かしさ。

「とてもうるさかったよ。残っている雑務をしようとしても、邪魔ばかりしてきて」

 口から飛び出すのは悪態ばかりだが、清次郎の表情はとても優しく、穏やかだった。

「本当にうるさかった」

 清次郎の目を伏せ思いを馳せるその表情に、千里ひかりはカイロを握る手に力を込めた。
 彼女の頬の色が、わずかに赤くなった。




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*Comment

No title 

お!
ひかりちゃんの方も前から会長を知っていたんですね。
お昼になると賑わう生徒会室。
楽しそうですね。
ちょっと参加してみたいです(笑)
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2013.09/25 01:03分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

こんばんは^^
一話ごとにコメントをくださり、ありがとうございます!
楽しんで頂けるよう頑張りますね♪

中学のときの生徒会室はしょっちゅううるさかった記憶があります。
友人が生徒会に所属していたので、よく迎えに行っていました。
外から見ると楽しそうで、羨ましくて。
そんな記憶を手がかりに、今回は生徒会室を舞台にしています。
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.09/25 21:51分 
  • [Edit]

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