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悪い夢から救って (2) 【ケイト×ネメア】

ケイトが熱を出し寝込んだ二日目のこと。

ネメアはケイトの様子がおかしいことに気付いていた。

柄にもなく手を伸ばしてきて、おずおずと手を握ってきた。
体調が悪いとはいえ、あんまりな顔色だった。

光が差し込む明るい部屋であるはずなのに。
子供たちの笑い声が届く、温かい部屋なのに。
まるで世界の片隅に置き去りにされた子のように、悲しみに耐えるような瞳をして。
いったいどうしたと言うのだ。

「ケイト?」

ネメアの声にケイトは、ぴりっと電流が走ったような顔をし、手を引っ込めた。


子供たちが心配するのをよそに、ケイトは窓辺に座り深いため息をつく。
子供たちが温かい飲み物を用意すると、気丈に微笑む。
だが、ひとたび子供たちが姿を消せば、世界の終わりでも見るように表情を暗くしていた。

「どうした?」
「アタシが、もし世界の終わりを願ったら怒る?」

ケイトはふっと笑った。

「またかって顔したな。そうだよ。アタシはなにも変ってない」

世界が平穏になればなるだけ、辺りに幸せが満ちれば満ちただけ。
ケイトの孤独はいっそう深まっていく。
闇をまとい、怯えたように世界を見渡す。
血走った瞳で、なにを恐れているのだろうか。
自分がこんなにもそばにいるのに。

「少し、寝る」

よろよろと立ち上がり寝室へ向かう。


ネメアは一日中子供たちの世話をしながら、ケイトの看病もした。

日が暮れ、村の女衆に子供たちを任せてネメアは寝室に来ていた。

ろうそくの火でほんのりと明るい部屋。
ネメアはさっそく濡らしてきた布をケイトの額に乗せた。
熱にうなされ、なにかを必死に堪えるような表情。
苦しそうに息をつく唇はわずかに震えている。

しばらく目を覚ましそうにないと知って、ネメアはケイトのそばを離れた。

「……ア……、メア……」

振り返ると、ケイトは寝返りを打ち、何かを呟く。

「ネ……ネメア……」
「ケイト?」

そばによると、ケイトはシーツを握り締め身体を反らしていた。

「やだ……いやだ!!」

ビクンッと大きく身体を引きつらせ、ケイトは目を覚ました。
ネメアはケイトのベッドに腰を降ろし、顔を窺った。

「大丈夫か」
「……いたんだ……いるなよ……」
「ずいぶんうなされていたな」
「寝言、言ってた?」
「どうだろうな。よくは聞き取れなかったが」

そう言ってとぼけて見せると、ケイトは悔しそうに唇を噛み体を起こした。

「横になっていていいんだぞ」
「これ以上みっともないところを見せられるか。……あっちぃ」

ケイトは後ろを向くと、額からずれ落ちていた布を手に取った。
なにをするかと思えばいきなり服を脱ぎ、汗を拭き始めた。

「私がいる前でよくできるな」

半ば感心しながら呟くと、ケイトは鼻先で笑った。

「なにを今さら。アタシを女として見てない奴に恥じらいを持ってどうする」
「それは、どうだろうな」

わずかなともし火に照らされたケイトの背中は白く、艶かしかった。
背中にかかる漆黒の髪の一本一本が、やけにいやらしく映る。
くびれた横腹、手を上げたときにちらりと見える胸のふくらみ。

ケイトが女だということを忘れていたわけではないが、こうやって見ると本当に女だったのかと感心する。

わき腹や、腕にいくつもの怪我の痕。
打撲の跡が消えていないところもあった。
その一つ一つが、彼女の痛みだということを改めて知る。

そして、その疵を見せられるのも、ネメアという存在だけなのだと思った。
普通に、特別な存在として、彼女のそばにあるのだ。

「ケイト」
「なに?」
「新しい服を出しておくから、それに着替えたらまた横になるんだ」
「はぁ~い、お父さん」

皮肉った返事。
ネメアは眉をひそめ、言い返そうとしたが諦めてクローゼットからケイトの服を取り出した。
言ったとおりに服をベッドに置き、退室しようとしたときのことだった。

ケイトは急に泣き出した。
驚いて振り返る。
だが、彼女は「なんでもない」と急に泣き止んだ。

なにがなんだか分からない。
分からないことが辛かった。
いつまで経っても変らない。
せめて、大切な人の気持ちくらい察したいと思うのに。
ネメアは肩を落とし、静かに寝室から出て行った。


次回 悪い夢から救って(3) ≫

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