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ビー玉色の思い出 16

 使者が脇に控えると、どこからともなく鈴の音が鳴った。まるで天井から音が落ちてくるようだった。
 御簾が上げられると、続いて衣擦れの音。歩いてくる気配に、雷太は息をつめる。

「春雷、風来、面を上げよ」

 雷太は目を丸めた。
 耳に届いたのは、ずいぶん幼い声だった。
 父たちが上体を起こすのを感じながら、雷太は平伏したままじっと耐えた。
 天照大神から許可されるまで顔を上げてはならない、それが礼節だと教わった。
 いったいどんな姿なのだろうという興味はあるけれど、まだ見てはいけないのだ。
 春雷と風来は峻厳な声音で口上を述べ、礼を尽くした。
 それなのに、天照大神の口からこぼれたのはため息だった。

「会って早々、皮肉のひとつも言わぬとは。ようやっと礼節というものを学んだかえ」
「息子の前なので、時には親らしくしようかと」
「うむ。そろそろ大人になってもらわねばな」
「年を数えるのも億劫なほど生きてきた我らにそう仰いますか」

 間を置くことなく言葉を返してくる春雷と風来に、天照大神は声を上げて笑った。

「そう、お前たちはそうでなければな」

 こほんと咳払いひとつ。

「さて五月雨のことだったな。日取りはどうする」

 三柱で進められる会議。
 その間、雷太と風介は平伏したまま。
 いくらか時間が過ぎた頃、ようやく頭を上げる許可が出た。

「そこの、顔を上げよ」

 雷太と風介は重たく感じる頭をゆっくりと上げた。

「っ!」

 風介と雷太はまったく同じ反応を示した。
 天照大神はそれを面白そうに見て、目を細めた。

(この方が……天照大神)

 二つ、三つしか歳が離れていないような少女の姿が、玉座にあった。
 大人びた面差しに、幼さは残っている。
 まっすぐに向けられる目に雷太は息をのんだ。
 威厳が満ちた、力強い視線。ありとあらゆるものに自信がある、揺るがない瞳。

(ダメだ、もう見ることが)

 天照大神の持つ気、覇気にのまれそうだった。
 あのような小さな身体からどのように生じる気であるのか。
 緊張に腕が震えた。
 想像のなかの天照大神とは違った。
 だが――存在の大きさは想像通りだった。





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