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ビー玉色の思い出 15

 謁見の間のような場所で天照大神に会うかと思っていたが、通されたのは内殿のさらに奥だった。

「俺ら、どこに行くの」
「さぁな。俺も内殿の奥に来たのは初めてだ」

 言う春雷の顔も、わずかに緊張しているようだった。
 この様子では、平時に通される場所ではないことが分かる。
 これから良くないことが起こるのではないか。そんな思いに駆られる。

 壁のない廊下を進みながら、柵の向こうにある、大きな水溜りを見つめた。底が見えないほど、青黒い淵。その大きな淵を抱える湖面に橋が架かっている。
 内殿からまっすぐに伸びる橋は寝殿に繋がっているのであろう。
 荘厳な建物が見える。あれが天照大神の寝所。

「ここでお待ちを」

 使者は一礼し、辿りついた部屋に入っていった。
 これはなんの音だろう。

「地面が震えてる」

 風介が呟く。
 足の裏からじんじんと伝わる振動。
 
「滝みたいな音がする」
「そんなまさか。部屋にあるわけないだろ」

 風介の言葉に雷太は薄く笑った。
 だが、確かに滝の音に似た轟音がかすかに聞こえてくる。
 背に湖が広がり、前方には滝。
 なんだか天照大神に四方八方を防がれている気分だ。

「どうした、雷太。顔色が悪いぞ」

 風来に気遣われ、しかし、雷太は頭を振った。
 ここまで来て帰るなんてみっともないことはできない。それも、風介の前では絶対に。
 轟音が止むと同時に床の震えも治まった。
 厚い扉がゆっくりと開き、使者が再び現れる。

「お待たせいたしました。どうぞこちらへ」

 粛々と部屋に入る。

「ほら見ろ。滝なんてなかった」

 春雷たちの後ろにつきながら、雷太はこそっと風介の耳元で囁いた。
 風介は不服そうに顔をしかめた。
 実際に自分たちの前には滝など存在しないのだから認めるしかない。
 雷太は目を細め、それから部屋を見渡した。
 ひたすら大きな部屋、白い石畳はテカテカと光っていた。
 その反射を見て、雷太は気付いてしまった。
 窓はないし、天井だって白く塗り込められて、光差すようなところはない。それなのに、不気味なほどここは明るい。
 正面には二つの柱に挟まれるように壇上があり、御簾が降りていた。
 壇上と相対するように床に朱色の敷物が広げられている。
 父たちにならって敷物に膝をつき、頭を垂れた。




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