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悪い夢から救って (1) 【ケイト×ネメア】

春の夜のことだった。

ケイトはいつも通り、孤児院の子供たちを寝かし付けたあと自室にて仮眠をとっていた。

村の警備は若衆に任せているとはいえ、ケイトは未だに安心して眠れたことはなかった。

右足の不自由さはありながらも、ケイトはこの村の若衆に負けたことは一度たりともない。

時折、ケイトは真夜中に起きては警備の子たちの元に訪れ、励ましたり小話をして和ませていた。

そんなある日のことだった。

この日、いつもより寝苦しさを感じていた。
身体が冷えているせいか震えが止まらなかった。

(風邪、ひいたのかな……)

節々がきしむように痛んだ。特に、この右足の古傷が痛む。
寝返りを打ち、深く息をつく。
夜目に映る寝室。隣のベッドはネメア専用だったが、今は見回りでいない。
男と女、っていう意識がないせいか一緒に寝起きしても違和感はなかった。

(ほんと、これってどうなんだろうな……)

「けほっ、こほっ……こほっ」

喉が乾いて、ひりひりとした痛みを発していた。
止まらない咳を繰り返しているうちに睡魔が襲ってきた。
荒波にもまれる船にでも乗っているような、そんな揺れる感覚のなかでゆっくりと目を閉じる。

真っ暗な世界のなか。
どっちが上で、下なのか。
方向感覚がよく分からない、そんな世界のなかで「声」が聞こえた。

―――― ケイト。

(この声…………シャリ……?)

―――― 君は、とても優しい人だよね。僕は誰よりも君の優しさを知っている。

闇の中で、シャリの声だけがやけに反響して聞こえた。
見渡している、感覚のなかで、シャリの姿はやはり捉えられなかった。
すぐそばにいると思うのに見つけられない。

―――― 君が愛おしいよ、ケイト。
    すべての人々の悲しみを終わらせようと身を犠牲にして……
    それなのにどうして誰も君を救おうとはしないのだろうね。
    君を利用するばかりだ、竜王もエルファスもエリスも、レムオンも。
   
   そして、ネメアも。

(……そんなこと……、今さらどう言ったってしょうがない……全部終わったことだ)

―――― ねえ、ケイト。本当にすべて終わったことなのかな?
    君はすべての悲しみを終わらせるために
    より大きな悲しみをもたらしてしまう存在なんだよ。
    君が存在する限り、悲しみの連鎖は終わらない。
    そしてその大きな悲しみに呑み込まれるのも、君自身だ。

―――― この世界に君の味方なんかいないんだ。
    誰も君を望んでいない。
    誰も君を必要としていない。
    だったら、君って何なんだろうね。
    存在する価値、あるの?

思考が、止まった。
ケイトの唇がわななく。

(……やめて…………)

―――― 君は独りぼっちだ。ねぇ、ケイト、憎くはない?
    こんな世界のために君が傷つく必要なんてないんだ。
    それならいっそ、消してしまおうよ。
    この世界も、君の悲しみも、すべて。

(……やめて、聞きたくない……やめてっ)

―――― 僕が叶えてあげる。君の、願いを。


次回 悪い夢から救って(2) ≫

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