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ビー玉色の思い出 13

「春雷」

 風来に呼ばれて、春雷は気落ちした表情のまま顔を向けた。

「お前こそ自分の子供を信用したらどうだ」

 春雷はむっとして、咎めるような声を出した。

「なんだよ。お前があおったくせに」
「可能性を述べただけだ。そういった場合の対処法を考えておけ、と助言したまで」
「ものは言い様だな」
「とりあえず先に、あの子に言っておけ」

 ちょうど着付けが終わった雷太が、袖を振って駆けてくる。
 誇らしげに背筋を伸ばして、嬉しそうに目を細めて。
 春雷は微笑みの裏で、女人の笑顔を思い浮かべた。
 ああ、そっくりだな、と感慨の思いで息子の笑顔を見つめる。

「へへっ、ちょっと照れくさいや」

 はにかむ息子へと膝をつき抱き寄せた。
 驚く小さな肩をぎゅっと抱きしめ、耳元で囁いた。

「雷太、あのことは天照に話すなよ」
「は?」
「母さんのことを天照の前で口にするな」

 ゆっくりと引き離し、息子の表情をうかがう。
 見張った目をどこぞへと向けたまま、固まる雷太。
 春雷は苦い思いで顔をしかめた。

「絶対にダメだからな、雷太」

 返る言葉もないうちに念押しすると、雷太は頬をひきつらせて微苦笑した。

「言わない……言わないよ」

 春雷はもう一度、雷太を引き寄せ、抱き上げた。
 抵抗のなさがかえって不安になる。

「雷太、約束だぞ。男と、男の。もう、約束は破らないって誓っただろ」

 返ってくる声は、ない。
 春雷の狼狽を見抜くように、風来が澄んだ瞳を向けていた。
 春雷は深い色をたたえた瞳で風来を見返し、やがて伏せた。
 風来のため息が、身にしみる。

 ただならぬ雰囲気にたまらず不安げに見上げてくる風介。
 春雷は笑顔をあげられなかった。
 視線を足元に落として雷太の頭を丹念に、丹念になでた。
 
 




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