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ビー玉色の思い出 12

 天照大神の内殿へと参内する日。
 雷太は帯をしめる力に引っ張られ、もう何度目かのたたらを踏んだ。
 日和姫に着物を着せてもらっているのだが、日和姫が少し力を入れただけで身体が揺れた。


「しっかりしめないと、後で緩んでくるからね」
「は、はい」


 腹と足裏に力を入れてなんとか踏ん張る。
 その様子に、着物姿の風介はクスクス笑いながら、ちょっかいをかけ始める。
 笑い声の絶えない着替えを風来はうかない顔で見つめていた。
 春雷は親友の肩を小突いた。


「礼の練習はさせたし、大丈夫だって。ほとんど喋らないわけだし」
「……風介は、な。問題はお前の息子だ」
「雷太? なんでよ」
「あの件を口にせねばよいが」


 軽く息をついて、風来は食卓についた。
 いつもは堂々としている背中が、少しばかり緊張しているようだった。
 落ち着きを取り戻すように、湯気立つ茶をすする。
 そんな風来とは違って春雷はのんきに笑った。


「心配性だなぁ。風来は」
「杞憂で済めばよい」
「だって、最近はなにも言わないよ。大人になったんだ」
「そう、それだ。駄々をこねる間はまだよかったのだ」


 きっぱりとした言葉に、春雷はわずかに片眉を上げた。
 風来は冷静につけ加えた。


「昔ほど、雷太はあの件に触れなくなった。口にしなければしないほど、心の内に秘めるものは大きい」
「それはそうかもしれないけど」


 歯切れ悪く言葉を返し、春雷は着付け中の雷太を見やった。
 ここ何年か、雷太は「あの件」について触れようとはしなかった。
 本当は心に闇を、悲しみを抱えているのではないだろうか。
 不安な思いが込みあがってくる。






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