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ビー玉色の思い出 10

 風神――風来の屋敷にて、夕餉(ゆうげ)をともにしながら参内の日取りを決めた。
 夕餉が終わる頃に日和姫は立ち上がり、囲炉裏に火を焚き、部屋の隅にあるロウソクにも火をつけた。

「そろそろか」

 風来が訊くと、日和姫はこくりとうなずいた。

 天照大神が政務を司る内殿より住居となる寝殿へと戻ると、天界を照らす光の気がすっと弱まり、ほの暗い世界が広がる。それに従って、風神殿の部屋も急に暗くなり、日和姫がたったいま点した光が頼りになる。
 機織の姫は天照大神の気を感じる存在。

 
「羨ましい」


 雷太は食器が片付けられた食卓に頬をつき、ぽつりとこぼした。
 ええ? と日和姫が振り返る。

 風来、春雷そして風介が囲炉裏へと移るのを見送りながら、雷太は続けた。

「だって日和おばさん、天照様の行動が読めるんだろ」
「すべてが分かるわけじゃない。御光の気がどう動くかをぼんやりと感じるだけ」
「でも、俺は分からないから。火を点すのだってすっげー早くなるんだ。ロウソクが勿体ない。タイミングよく点けられたら少しでも無駄を減らせるのに」
「意外と倹約家なんだね」

 日和姫はクスクスと笑った。

 雷太は目を丸くした。
 声を立てて笑わないところがやっぱり品があって、どんなに年が経とうとも機織の姫なんだと心の内で思った。


(母さん……)


 今はもう見ることもない面影を思い出し、雷太は目を伏せた。
 面影――それすらもう、おぼろげになり始めている。
 急に黙り込んだ雷太に日和が小首をかしげる。
 雷太はゆるく頭を振って日和の隣に立った。


「ごちそうさま、とお礼に食器片付けるの手伝うよ」
「いいよ、そんな」
「早く片付けて、そんで、風介のところに行ってやって。この日をずっと待ってたんだから」


 日和姫の返事が追いつかないうちに、雷太は締めくくった。




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