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アーモンドの花(6)

 
 いつものように早朝、鐘を鳴らすイーサン。
 らせん階段を降りて、かすかに聞こえてくる鐘の音を聞きながら暖をとる。

「神父様」

 滅多に己から口を開かぬイーサンが、ふと言った。

「少しだけ、頑張ってみようと思う」
「良いことだね、とても素晴らしいことだ。勇気を持つことは、君自身を輝かせる」

 司教は少し黙ってから、「でも、なぜ急に」と尋ねた。
 イーサンは微かに笑いながら言った。

「彼女……花が好きだと言ったから」
「うん?」
「ここから見える景色、神父様も知っているだろう。今が一番――」
「ああ! それは良……っこほん」

 イーサンが言い終える前に司教が声をかぶせる。
 合点して思わず声を上げてしまったが、ここが教会だということを思い出した司教は慌てて声を抑えた。
 
「それは名案だ」

 取り澄ましたような顔で言うものだから、イーサンはクスクスと肩を揺らして笑った。
 こんな司教もまた、滅多に見られない。


「あら、なんのお話? イーサンがそこまで笑うなんて」

 突然現れた彼女に、司教もイーサンも目を丸めた。
 いったいいつ扉を開けて入ってきたのか、気配なんて微塵も感じられなかったのに。

 司教がイーサンに目配せをする。
 今がチャンスだと言わんばかりの視線に、イーサンは表情を引き締めた。

「頼みがあるんだ」

 思わぬ切り出し方に司教はきょとんとする。
 突然の頼みに彼女もきょとんとした。

「どうしたの、イーサン。頼みって」
「明日の朝、一度だけ。鐘を鳴らす仕事を代わってほしい」
「用事でもあるの?」
「ああ。とても大事な用事がある」
「そう。良いわよ、イーサンが言うんだもの。よっぽどのことだわ! 喜んで代わりましょう」
「ありがとう」





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