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アーモンドの花(3)

 暖炉の前で温まっていると、教会の扉がそーっと開いた。一抱えの花束を持って現れた女性に、司教は「おはよう」と声を掛けた。

「おはようございます、神父様。イーサンも、おはよう」

 イーサンは目尻を下げて挨拶を返した。
 ベージュの外套を身にまとう彼女は、口元に寄せていた布を指先で下げて笑みを浮かべた。

「見て、イーサン。今日のお花も冴えて良い色でしょう」
「ああ」

 彼女は嬉しそうに微笑んで、この花のこの色が好きだと語り始める。
 イーサンは何度もうなずき、彼女の言葉に耳をかたむけた。

「君は、本当に花が好きなんだな」
「ええ。もちろんよ」

 ぱぁっと明るく笑う彼女を見た瞬間、イーサンの表情に緊張が走った。


「……そうか」

 言って、イーサンは立ち上がる。
 まるで逃げようとでもするかのように教会の出口へと向かう。

「イーサン」

 呼び止めたのは、司教だった。
 叫ぶわけでもなく、ただ静かに問いかけるような声音だった。

「いつまでもこのまま、というわけにもいかないよ。君もいい歳だろう」

 イーサンはピタリと足を止め、わずかに振り返った。

「私もそう長くはない。出来れば私が、君を祝いたい。……君を祝える日を心待ちにしているよ」
「神父様、なんのお話? 私、ここに居ていいのかしら」

 司祭は苦笑してしまう。
 イーサンには伝わったが、彼女にはこの言葉の意味が伝わらなかったらしい。

「…………」

 イーサンはちらりと彼女を見て、すぐに目を伏せた。
 なにも言わずに彼は教会を出て行った。





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