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ビー玉色の思い出 9

 風介は雷太と同じようにヤンチャ坊主だが、大人の前だと急に慎ましくなる。利発で、自分が心配しなくても、なんでもこなしてしまうほど立派だ。
 一方で雷太はどんな神の前でも臆せず、言いたいことをはっきり言う。時々はらはらさせられ、風介を見習えと何度も言ってきた。精神が未熟だと思っていたが、意外にそうでもなさそうだ。礼儀を知らないだけだ。

 良い機会だ。天照に会わせるこの機に合わせて、礼儀を叩き込むか。
 風来は最後まで渋い顔をしていたが、日和姫が賛同してくれたのだ。
 間違いなく、この計画は進む。

「サミダレの間、なにして遊ぶんだ」

 気を取り直して尋ねると、雷太はうなった。

「セミ取りの練習! やっぱり一年も経つと、腕がなまっちまうや」

 まるで職人のように表情をきりっとさせて袖をまくる。

「でもここにはセミがいないけど、どうやって練習するんだ」
「木の前に立って、セミが居る想像をして、こう……しゅっと素早く腕を伸ばす練習」

 素早く腕を伸ばしてみせる息子に、春雷は笑いを必死にこらえた。

「す、すごいな」
「教えてやろうか」
「い、いらない」

 今にも爆笑してしまいたいのを必死にこらえるせいで、肩が震える。

「親父、大丈夫か。震えてるぞ、顔も赤いし……はっ、熱か!?」

 追い討ちをかけるようにボケ続ける息子に、とうとう抑えが利かなくなる。
 急にゲラゲラと笑い出す父親に、息子はびくっと震えて目を丸くした。

「親父! 大丈夫か、奇病か!? 丹塗矢、取ってくるか!?」
「や、やめろ……これ以上、笑わせないでくれ……」

 親子が騒いでいると、うぐいすが鳴いた。
 空を仰ぐと真っ白な鳥がパタパタと羽ばたき、雷太の前で文へと姿を変えた。
 差出人は日和姫だった。

「ご迷惑をおかけしたので、今夜は我が家でご馳走します。どうぞお越しになってください。だって」
「はぁ、はぁ。笑った笑った。文についた気は、たぶん風介だな。風を操って届けてくれたようだ」

 一人でそこまで出来るようになったかと感心する春雷に対して、雷太は興味なさそうに「ふぅん」と返した。

「で、親父どうすんの」
「そりゃ行くさ。美味しいご飯を食べさせてもらわないとな」
「うん!」

 男二人の生活なので、味気ない飯ばかり食べている。
 久しぶりにご馳走にありつけると雷太は飛び跳ねていた。





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