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すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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ビー玉色の思い出 4

「コマで遊んでいたのか」

 歩み寄ってきた雷神は、雷太の手元を見下ろして言った。
 雷太はうなずいて、途方に暮れたような声を出す。

「どっちが長く回していられるか勝負してたんだ」
「それで、どっちが勝ったんだ?」
「勝負している時にちょうど、おじさんが帰ってきたんだ」
「風を操るわりには、本当に空気が読めない奴なんだな」
「ええ?」

 意味がよく分からなかった雷太に、雷神は歯をちらりと見せて笑った。

「なんでもない」
「……まぁ、いいや。それで、親父がどこにいるか訊かれて、家って答えておいた。もしかしたら、風介と一緒に家に行っちゃったかもしれない。おじさん、自分の家には寄らずに天照様にお会いするって言ってたよ」
「そう。でも俺が居ないと、あいつは天照に会いに行かないから俺の家で待ってるだろうよ」


 雷神はため息混じりに笑った。

「本当に、あいつは忙しい奴だよ。ゆっくり休めば良いのに」
「親父も少しは見習ってよ」
「えぇ?」
「おじさんみたいにお役目お役目って、少しくらい家を空けてみたら良いんだ」

 そしたら、風介の気持ちに近づける気がした。
 そう、雷太はずっと「家に帰れば親父が居る」ということに居心地の悪さを感じていた。
 ふうと息をつく息子に、雷神は唇を尖らせた。

「冗談じゃない。 雨にあられに雷を毎日落としてみろ、 俺は一気に嫌われ者だ。それも子供には泣いて嫌われる。あぁ、嫌だ嫌だ。考えるだけで背筋が寒くなる」


 雷神がおどけたように顔をしかめるので、雷太はくすくすと忍び笑いをもらした。
 それからふと、雷太は父を見上げた。


「なぁ、親父」
「うん?」
「俺とお役目、どっちが大事?」
「え、と。なに、どうしちゃったの急に」
「……おじさんに、お役目と風介のどっちが大事なのか訊いたら、それが分からぬからお前は半人前なんだと言われた。俺なら自分の子供を大事にするけれど、これは正しい答えなのか?」


 雷神はやわらかく苦笑した。


「本当に困った奴だよ、あいつは。ただ、まぁそうだね……それが分かったら一人前なのかもしれないな」

 父のもったいぶった言い様に、雷太はむっと顔をしかめた。

「大人はずるい。そうやって何でも秘密にするんだ」
「一度、深く考えてごらん。すぐに答えを求めずに、ゆっくりと考えて」
「そんな暇ない!」


 最後まで聞かずに言い切った息子に、雷神は肩を揺すって笑った。


「そうだな。お前たちは遊ぶのが仕事だ。たんと遊び、たんと寝て、大きくなりなさい」






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