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ビー玉色の思い出 3

 ようやっと十になろうかという風介を子に持ちながらも、風神の若く瑞々しい容姿は衰えることがなかった。
 うなじ辺りでまとめた艶やかな緑髪。峻厳な横顔が印象的で、常に覇気をまとわせている。ピリリと張り詰めた雰囲気を持つ風神に、雷太だけでなく息子である風介でさえ身を竦ませていた。
 それほど、おごそかな印象を与える者であった。


 風の回廊に、リン――と鈴が転がる音が響いた。
 家に帰ろうと歩いていた雷太は、はっと振り返った。
 勢いよく振り返った拍子に、片腕に抱えていたコマを落としそうになって慌てて手を添える。

 風神が降り立ったまさにその場所に、同じように降り立った丈夫じょうふに雷太は目を瞬いた。
 けぶり立つ回廊の端。身動き一つすれば黄金色の霞雲がふわっと舞う。
 向こうも雷太に気付き、まさかここにいるとは思わなかった、と目を丸めた。


「家に居るんじゃないのかよ」
「風介と一緒じゃないのか」

 親子で声を揃えて、ぴたりと止めた。
 奇妙な沈黙がやってきて、雷太はたまらず笑い出した。

「風のおじさんが帰ってきたんだ」
「そうか」


 やわらかな微笑を浮かべる父に、雷太は風神との対面で引きずっていた緊張が解けるのを感じた。

 風神と相反して、父雷神は白金の髪を結いもせず垂らしただけ。
 渋い藍色の着物に、浅葱あさぎ色の花袍かほうを肩に乗せた格好をしている。帯紐に鈴を通しているため、歩くたびにリンリンと音を立てた。見た目の若さは風神とそう変わらないが、砕けた格好だから締りがない。もう少しどうにかならないものかと思いつつも、隙がありすぎる雰囲気が父の良いところでもあると認めている。 
 格好だけではなく性格もどこか抜けていて、温和だった。
 風介も雷神にはよく懐いており、父は風神の事情を差し引いても風介を可愛がった。妬かないわけではないが、風介より一つ上の歳であるため堪えていた。
 拗ねるなんて格好悪いまねはできなかった。





※浅葱(あさぎ)・・・薄い藍色、水色。
※花袍(かほう)・・・立派な模様のある上着。




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