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ビー玉色の思い出 2

 風神の役目は下界へと赴き、雲流しを毎日すること。ゆえに風介の父は滅多なことでは帰って来ない。
 そのことに対して、風介は文句を言ったり、拗ねたりしなかった。ただひたすら、静かに待つのが風介という子だった。

 忙しいことは重々承知している。
 だが、風介が可哀想でならない。
 風神は知っているのだろうか、この風の回廊を遊び場としている理由を――早く会いたいと願い、ここで待ち続ける風介の気持ちを。
 ここで心細げに空を見つめる風介の後姿を、雷太はずっと見てきた。だからこそ、この状況が歯がゆくてならない。


「はっきり言えば良いのに……」


 雷太は視線を下げ、諦めたようにコマの元へ戻った。
 回りきって倒れている二つのコマを手に取る。どっちが最後まで回っていられるか競っていたところだったが、結局最後はどうなったのかは分からずじまいだった。


 ため息混じりで風の回廊の先――金色の霧がかかったように霞む高天原たかまがはらの空を見つめた。
 天と地を二つに分ける空は、黄金色の雲に覆われている。黄金色の雲の下に白い雲があり、それが人間たちの住む世界の入り口だった。ゆえに天神世界の空は下にある雲海であった。

 もうすぐ下界に〈サミダレ〉を起こさねばならない時期が来る。
 風介の父風神と、雷太の父雷神の二柱で行う仕事だ。大仕事であるため常に家にいる父も天界を留守にする。雷太にとっては、父が長期間下界で仕事をしようと構いもしなかったが、風介にとっては寂しいことだろう。やっと父が帰って来たのに、またすぐに出かけてしまうのだから。


〈サミダレ〉が終わるまで、風介と雷太も下界に降りることが出来ない。一切の神が、下界と天界の行き来を制限される期間だ。大人たちにとっては束の間の休暇となるだろうが、下界で遊びたい雷太にとっては最も憂鬱な時間だった。

 具体的に〈サミダレ〉がどんな仕事なのかは分からない。
 下界の空をかき混ぜる仕事だと、父は言った。かき混ぜて、それでどうなるだとかは教えてもらえなかった。ただ、天照大神の御光を遮る仕事であるから、天照大神に礼を尽くさねばならないと何度も言われた。

 そのわりに、父も風神も尊大な態度で「アマテラス」と呼び捨てているが、お咎めはないのだろうか。いや、ないのだろう。呆れる思いで、なんとなくそう確信してしまった。






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