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二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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暖かな陽のもとで (1)

白金のような長髪をなびかせて、麗人は晩春の暖かな風を感じながら歩いていた。
足元には、トタトタと軽やかな足運びをする白毛の猫。
バイアシオン大陸を出て、どこともなく適当に旅をして回ってきた一人と一匹。
ある時、懐かしいソウルの気配を感じ、初めて旅に目的ができた。

愛しい我が子に会いに行こうと思い立ったのは、つい二日前のことだった。
そして、可憐さと勇ましさを兼ね備えた戦乙女にも会える。
よかった。
ちゃんと二人でやっていけているのだと思うと、ほっとした。

「ねぇ、ネモ。あの二人は夫婦になっていますかねぇ」

声をかけられ、猫はきょとんと麗人の顔を見上げた。
ひげをそよがせるなり、ふんっと鼻を鳴らした。

「いいや。あの二人だ。意識すらしてないだろうな」
「やっぱりそう思います? ネメアのことだから、オトモダチなんて偽善的な響きでやっているんでしょうね」
「俺の台詞を横取りするな、オルファウス」



麗人オルファウスと、猫のネモは小さな村を訪れた。
村の出入り口となる柵門のそば、大木の幹に深々と刺さった大鎌があった。

「なんのために、でしょうね」
「さあなぁ」
「誰だ!!」

オルファウスとネモは矢倉を見上げた。
青年が見下ろし威嚇していた。
オルファウスはネモを抱き上げると、優しく微笑んだ。

「ここに、ネメアとケイトという人はいますか」
「えっ。先生たちのこと知ってるの?」
「先生……」

オルファウスは高らかに笑い、ネモも面食らったように青年を見つめていた。
まさか我が子が「先生」と呼ばれる日が来るとは思いもよらなかった。
先生になれるほど道を知っているのかどうか、親としては疑ってしまうが――――。

「オルファウスが来たと伝えてください」

青年は訝しげに頷き、矢倉から姿を消した。
そう時間もかからずにネメアが現れ、破顔した。

「父よ、なぜここに」
「近くに寄ったものだから。お前とケイトの気配がしたからね」
「歳を取り過ぎて帰り道が分からなくなったのか?」
「私に冗談が言えるほど立派になったということですか。ねぇ、先生?」

ネメアは微苦笑し、オルファウスとネモを迎え入れた。
その間、ネメアはこっそりネモに耳打ちをした。

「ケイトがずっと会いたがっていた」
「そうかよ。俺様のありがたいお説教でも聴きたいのかね」
「ここは寒冷な土地だからな、抱いたまま寝たいと言っていた」
「あいつっ! ……ったくこれだから人間は嫌いなんだ」

ネメアの案内で訪れたのは一件の長屋だった。
陽のあたる良い場所で、窓に陽光がちょうどいい具合に差し込んでいた。
長屋に入るなり、ケイトが出迎えてくれた。
肩を過ぎたくらいの髪の長さになり、最後に会ったときよりずいぶん大人の女性へと成長していた。

「お久しぶりです、オルファウス様。ネモ」

片足を不自由そうに引きずりながら、ケイトは二人の前まで歩いてきた。
ケイトのスカートにしがみつく幼女は、ネメアとオルファウス、そして猫のネモを交互に見た。
オルファウスは幼女ににこりと笑うと、真面目な顔をしてケイトに尋ねた。

「ケイト、その足は」
「三年前にちょっとヘマをして……」
「近くに山があっただろう。あそこに棲み付いたモンスターを討伐したときに折って以来、この状態だ」
「お前がついていながら、どうしてこんなことに」

オルファウスは嘆息して肩をすくめると、ケイトの肩を撫でた。

「苦労をかけますね、ケイト」

ケイトは困ったように笑い、奥にあるイスへとオルファウスを促した。
ネモはケイトの足にすりより、ひげを動かした。

「ネモ、久しぶり。会えて嬉しいよ」
「にゃー」
「ふふっ、そうだな。子供の前だから、もう少しそのままで辛抱してくれ」
「にゃぁ……」

オルファウス、ネメア、ケイト、ネモはそれぞれイスに座った。
ケイトの膝には先ほどの幼女が座り、ネモをじっと見つめていた。

「それで、先ほどから気になっているのですが、その子は? まさかネメアお前」
「ちっ、違います!」

ケイトは慌てて頭を振る。
一方のネメアは小首を傾げた。

「そこまで慌てて否定する必要もないだろう。当然の推測だ」
「うるさいよ。えっと、この子の説明をする前に話しておきたいことがあるんです」

次回 暖かな陽のもとで(2) ≫

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