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二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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【三話】 夢

 台所では、母親と祖母、そして伯母がご飯の用意をしていた。

「おばさん、こんにちは」

 おずおずと台所に入ると、伯母はぱっと明るく笑った。
 化粧の、花みたいな独特の匂いが鼻についた。
 伯母はすごくおしゃれで、容姿も若さを保っていた。

「似合って良かったー。べっぴんさんだわぁ」

 大げさな褒め方だったから、よけいに恥ずかしくなる。
 春乃は苦い笑みを浮かべて台所から立ち去った。

 玄関に行くと、たくさんの靴が並べられていた。
 そこにゆかりが履くような、若い女性向けの靴はなかった。 外でたばこを吸っているのかもしれない。
 
 やることもないし、客間へ行こうと思った。

(おじさんたちにも、挨拶しなきゃ……)

 客間で待っていればそのうち紫も来るだろう。

 渡り廊下を静かに歩いていると、夢が背後をうかがいながら現れた。
 春乃を見るなり、はっとした顔をして目をそらす。
 手には風呂敷みたいなものを持っていた。
 なかに何が入っているのかは分からないが、どうせ大したものではないだろう。

「おじさんたちは?」
「じーちゃんの部屋にいる」
「ふーん」

 じゃあ、祖父の部屋へ行こう。

「春乃ー」

 玄関から紫の声がした。

「なに? お姉ちゃん」

 夢は立ち尽くしたままだったが、あまり気に留めなかった。
 不審な夢よりも、紫が声をかけてくれたことの方がずっと重要なことだった。
 春乃は紫のもとへ行く。


 紫はガムを噛んでいた。
 たばこ臭いのを消すためかもしれないけれど、体にたばこの臭いはまとわりついていた。
 確かに、そばに居たら臭いが染みてしまうかもしれない。

「なんか面白い漫画ない? 邪魔だから手伝うなって言われて暇なんだよ」
「お姉ちゃん、料理できるよね?」
「盛り付け下手だから来るなって」

 肩をすくめて、紫は階段を上がっていく。

「あ~待って待って! 部屋汚いから!」
「気にしないって」
「待ってよぉ!!」


 春乃と紫が階段を上がって、部屋に消えていくのを確かめて、夢は息をついた。
 玄関の扉が静かに開いて、ゆっくりと閉められる。
 家人はそのことに、誰一人として気付かなかった。









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