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重なる記憶(7) 【ケイト&ネメア】

ネメアは小さくため息をつくと後ろから強い声がかかった。

「アタシは――――」

振り返ると、ケイトは早足で戻ってきた。
言いにくそうに口をまごつかせて、諦めたように息をついた。


「意思がないわけじゃないんだ。
 ただ、どこでもいいんだ。
 どこでも行ける。
 今のままで満足してた。
 だから、ネメアがなにを考えて北へ進んでいるのか、そういうの正直どうでも良かったんだ。
 言ったでしょ。
 アタシのことであれこれ考えてくれなくていいって。
 アタシもアンタのことたいして考えてなかったりする。
 ただ、アンタが孤独じゃなかったら、それで良いかと思ってた。
 それが気に食わなくて、それで……アタシとの関係を解消してくれたって良いんだ――――」

ケイトは強い目でネメアを見上げた。

「つまりさ、ネメアは自分のことだけ考えて生きてくれていい。アンタが許してくれるなら、アンタにひっついて適当に生きるから……。なんっかなー!! まとまらない。だからー、えっと」
「なにも考えたくない、ということか」
「そう! それ! 理由付けとか、もううんざりだ。適当に生きて、のらりくらりやっていきたいわけ。
 だいたい、アタシがアンタを理解できなり理由分かってないだろ」
「どういうことだ」

ケイトは「はあ~やっぱりな」と笑った。

「アンタはいつも、難しいことばかり考えてるんだ。それが性分なんだろうけどさ。
 それが息苦しく感じることがある。
 ようやく解放されたのに、能天気に日向ぼっこをするでもない」
「私が能天気に日向ぼっこをする様を想像できるか?」
「例えだよ、面倒くさい奴だな。
 難しいことをアタシに一々質問したり、一緒に来て大丈夫なのかとか、そういうこと考えないで
 アタシらはさ、もっと適当に生きていくべきなんだよ。
 行き当たりばったりで、適当に旅先を決めて、こっちは間違いだったなって笑い合って。
 そういう関係で良いんじゃないか?」

ネメアは静かに笑って、ケイトの頭を荒っぽく撫でた。
ケイトは露骨に顔をしかめて、その手を払った。

「思いは同じなのに、方向が違ったのか」
「どういうこと?」
「私は、お前に私自身のことをもっと知ってもらいたかった。興味を持ってほしかったのだ」
「はあ?」

ケイトは顔を真っ赤にして、ネメアの真意を図りかねていた。

「人らしい関係というか、平凡な関係に憧れを持っていた。
 私を特別な存在として見てほしくなかった。
 私の思考を理解できないというが、人はみなそんなものだろう。
 お前に、理解できないと言われたとき、やはりこんなものかと落胆した。
 みなそう言って、私から遠ざかっていった。父を除いて。
 並みの人間として認め、興味を持って欲しかった」

「つまり、あれか。一般に言う、オトモダチって奴になりたかったの?」
「そういうことになるな」
「なんか、改まると恥ずかしい響きだな」
「確かに」

二人ははにかみ、ネメアはふと呟いた。

「ケイト」
「ん?」
「しばらく旅をやめないか」
「えっ」
「人間らしい生き方をしてみないか。戦いの中で生きていくのは、しばらくやめにしよう。
 ここで、孤児院を作ろうと思う。幼き子供たちが成長し、一人前に村を守れるようになるその時まで」
「正気なの?」
「もちろんだ。本当なら、雪が降り、旅を止めざるを得ない状況でそれとなく言おうと思っていたんだ。
 お前はもう充分に戦った。充分傷ついた。
 だから旅はここでお終いにしよう」

ケイトはどんな顔をすれば良いのか分からなくなっていた。
ただ、嫌々と駄々をこねるように首を振る。

(それは逃げではないのか、それは正しい選択なのか)

胸のなかで、ずしりと重いナニかを感じた。

(違う。アタシは、戦うことで現実から逃げていたのか……戦っていれば、なにもかも忘れてしまえたから)


「ケイト?」
「……帰ってきてから決める……」


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