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すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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【恋愛SS】 electric wave

 高校の頃から付き合っている彼氏の家に来た、夏の夜。
 二人とも大学三年生になって、成人した。
 だから、一人暮らしをしている彼の家でお泊り、というのも悪いことじゃなくなった。

 でも、不思議。
 由紀くんは、どうして私なんかと付き合っているんだろう。

 眼鏡を掛けて、外見が真面目な彼は、とっても格好良くて、やっぱり真面目だった。
 そんな人が私と付き合っている。
 可笑しくて、可笑しすぎて、可哀想だなって思う。

 ソファベッドで仰向けに転がっている私に、由紀くんは一度も触れない。
 興味ないのかもしれない。

「来週、一週間は快晴の日が続くので、ペルセウス座流星群が見られるでしょう」

 天気予報士の人がそう言うのだから間違いない。
 来週はとっても暑くなって、快晴で、ペルセウス座流星群日和。

「由紀くん」
「うん?」
「星ってどんな味がするのかな」

 ほら、真面目に考え出す。
 そんなに真面目に考えて、疲れたりしないのかな。
 空想遊びをしているほうがよっぽど楽しくて、疲れないのに。

「彩乃の言う星はつまり、恒星だね。恒星は、中心部で核融合反応をしていて、とても熱いんだ。それゆえに自分自身で輝けるんだけど。もし、彩乃が恒星を口に入れてしまったら、彩乃は一瞬で燃え尽きるだろうね。
 しいて味を当てるなら、肉の焼け焦げる味、とでもしておこうか」

 さすが理学部! 私は手を叩いて笑った。
 でもロマンチックじゃない。
 由紀くんはそんなだから、モテないんだ。
 顔はとってもキレイで格好良くて、それこそ星の王子様みたいなのに。


「じゃあ、流れ星ってどんな音色なの?」
「さあ。ロケット花火みたいな音じゃない?」
「アハハ! すっごくダサいけど、なんかそれっぽい!」

 由紀くんはノートパソコンに向かって、ずっとレポートを書いていたけれど、突然立ち上がった。
 食器棚の一番上の、いつも私用にお菓子を置いてくれているところから何かを取り出した。
 小さい袋に入った、カラフルな和菓子。
 「あ!」と私は跳ね起きて、由紀くんの前に座った。


「実家から送られてきたんだ。なんでか知らないけどね」
「凄い凄い! これって彩乃のため!?」

 大はしゃぎする私に、由紀くんは苦く笑った。

「そんなまさか。たまたまだよ」
「だって、由紀くん、偶然って言葉嫌いだもん」
「あ……」

 自分で言ったことを忘れていたみたい。
 小さく咳払いをして、私にこんぺい糖をくれた。
 私は黄色が好きだから、当たり前のように黄色のこんぺい糖を手に乗せてくれた。

「さて、実験だ。彩乃助手、星の味を確かめてくれ」
「ラジャー了解!」

 しっかりと敬礼して、私はこんぺい糖を口の中に放り込んだ。

「由紀博士、甘いです! すっごく甘いです!」

 私はこんぺい糖を舌で転がしながら、思う。
 星は甘い。
 それなら、星の王子様はどんな味がするんだろう。


「由紀くんは、どんな味がするの?」

 久しぶりに見た。 由紀くんの、ぎょっとした顔。
 アレ、目の色が変った。
 私より大きな手が伸びてきて、押し倒された。
 一瞬、心臓が浮いて、驚いた。

「由紀くん?」
「試してみる? どんな味がするか」

 熱を帯びた視線。
 ドキドキした手を伸ばして、私はこんぺい糖を一粒取った。
 由紀くんは拍子抜けしたみたいに、目を丸めていた。

「ぴゅ~~~~」

 私のつまむこんぺい糖は、由紀くんの口の中へ入った。

「流れ星デス」
 
 初めてのことに、私は雰囲気をごまかすことで一杯だった。
 顔を真っ赤にする私に、由紀くんは微笑んで、優しいキスをくれた。
 二人の舌の間、こんぺい糖が熱で溶けていく。



 星の王子様は、やっぱり甘い味がした。






ありがとうございました & お疲れ様でした

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*Comment

No title 

初めまして^^ (ぃゃ、読み逃げはしてるんだけども・・笑)
胸がきゅんっと鳴ったので
コメント残したくなっちゃいました♪
かわいいわぁ^^
こんな頃が、私にもあった・・ はずッ・・。(笑)
  • posted by ako 
  • URL 
  • 2013.03/09 17:48分 
  • [Edit]

Re: akoさんへ 

初めまして、こんばんは^^
訪問、コメントありがとうございます♪
読み逃げ、全然okですよっ(°∀°)ゝ”
恋愛SSは妄想爆発コーナーなので、ときたまとんでもない内容になることも(笑)
楽しんでいただければ幸いですb( ゚∀゚ )
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.03/09 19:44分 
  • [Edit]

No title 

甘いなあ。いいなあ。
やっぱりデジャヴさんの恋愛ものは好きです。
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2013.10/04 12:48分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

こんばんは^^
コメントありがとうございます♪
恋愛小説を気に入って頂けて、とっても嬉しいです!
妄想を爆発させているだけなんですけどね(笑)
また浮かび次第、恋愛SSは揚げていくつもりです。
気長に待っていただけると幸いです。
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.10/04 22:44分 
  • [Edit]

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