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重なる記憶(5) 【ケイト&ネメア】

レミは外套(がいとう)を羽織り母屋から出ると、ケイトを探した。
ランタンの光を頼りに村を歩き回ると、ケイトは見張り台で山をじっと見つめていた。
ケイトは光に気付くと、レミを見下ろした。

「レミ? こんなところでなにしてるの」
「ケイトさんを探していたんです」

はしごを上り、ケイトの隣に立つ。

「ケイトさん、ネメアさんが見回りを交代すると」
「ああ、そう。ちょうど戻ろうと思っていたところだからよかった」
「なにかあったんですか?」
「すぐそこに小高い山があるだろう」
「ええ」
「嫌な感じがするんだ。たぶん、あそこに強い何かが棲みついている。だからモンスターたちが下りてきて縄張りを探していたんだ、きっと」

レミは顔をしかめた。

「詳しく、聞かせていただけますか」

「言葉通りだよ。厄介な奴が棲みついたみたいだ」
「こんな距離なのに、わかるんですか」
「わかるね。だから厄介な奴なんだ」

ケイトは腰に付けていた警報用の花火を矢にくくりつけると、レミに油を塗った小さな棒を渡した。
ランタンの中のろうそくを見て、顎をしゃくる。

「そのろうそくの火を、この部分につけて点火して」
「はい」

ケイトが弓をつがえ頷くと、レミはすかさず点火した。
すばやく矢を飛ばすと、「シュンッ!」という音と共に、夜空に真っ赤な炎が弧を描いた。

「見てな」

山から、一筋の赤い閃光が天上へと走った。
ケイトは舌打ちをした。

「応えた!?」
「いる。面倒だな。知能を持ってる」
「ケイト!!」

ネメアの声がして、ケイトは見下ろした。
急いで駆けつけたのか、ネメアは少しだけ荒い息をついていた。
ケイトは「悪い悪い」と詫びる様子もなく笑い飛ばした。
実はあの警報用の花火は、「非常時での連絡手段」としてネメアと考案して作った物だった。
レミを伴って下に降りると、ネメアはケイトの額を小突いた。

「なにかあったかと思った」
「悪い悪い」
「応えたな」

ネメアも山を眺め、言った。

「うん、確実にいる」
「どうする。ケイト」
「そうだね……どうしようか」

ケイトはちらりとレミを見て、レミは俯いた。

「お二人がもし、あの山にいる奴を倒してくださったら、心強いです。でもそうしたら、村のみんなはきっとお二人に縋るでしょう。英雄として、村に迎え入れるでしょう」

ケイトは嘆息し、外套を翻した。
レミは追おうとしてネメアに止められた。

「ケイトの心は決まっているだろう。だから大丈夫だ」

レミは顔をしかめ、首を振った。

「私はそんなことを望んでいるわけじゃありません! 自分たちでどうにかしないと、意味がないのに……。ケイトさんは……優しすぎます」
「ケイトはすべて分かっているさ」
「それなのに!?」
「それなのに、彼女は自分の命をかけてあなた方を守るのだろうな。あなた方のためじゃなく、己のために」

過干渉で、身を滅ぼすような優しさ。
彼女の優しさは彼女自身も周囲もダメにする、きっと。

「そうしないと立っていられないんだ。
 自分が世界にとって異端であると信じ込んでしまっている彼女だ。
 誰かのために命を削り、人のために力を使って死ねば、自分は異端ではなかったのだと、ようやく認めることができるのだろう。そこに、助けた人の心情は関係ないのだろうな。そういう意味で、彼女は真の正義ではない」



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