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レディ・バレンタインの気合

イルカはあと十頭だけ。時間がない、イルカたちの命が危ない。
だが、残るのはサラとアーロンだけだった。その二人でさえ疲弊しきって、肩で息をしている。
そんな時、漁師らしき人物が叫びながらサラたちのもとへやってきた。

「ここらの漁師たちに頼んで、沖に網を落としてもらった!」
「え?」

サラとアーロンは顔を見合わせた。
漁師たちがイルカの救助を手助けしてくれていたのは知っていた。
ずいぶん助かっていたのだ。だが、なぜ網を仕掛けたのだろう。

「十年前もあったんだ、イルカが打ち上げられたことが。沖に帰しても、また戻ってきて結局一頭も救えなかった。だから前のようにならないために、沖に網を置いた。頼む、あと少しだ。あと少しだけ頑張ってくれ。死んじまったイルカたちのぶんまで、あいつらを助けてやってくれ」

頼む、とまっすぐに頭を下げる漁師。
漁師の向こうにはたくさんの人がイルカを救おうと尽力している。
たくさんの人が十年前の惨事にならないよう、必死になっている。
サラはアーロンの手を握った。

「必ず。必ず助けてみせます! そうだよね、アーロン」
「もちろん」






グループテスト当日。
バレンタインは最後の最後まで、エルバに謝ることができなかった。
グループテストが行われる授業が始まる前、エルバと顔を合わせた。
気まずいまま目をそらす。
なにか言わなきゃ、と唇を噛んだときだった。

「バレンタイン」
「え……」

エルバは手を差し伸べてきた。

「今日、頑張ろうな。あいつらを見返してやろうぜ」

目を瞬くバレンタインにエルバは小さく笑った。

「なんだよ。最初の目的忘れたのか? あいつらをぎゃふんと言わせるんだろ。
 じゃなかったら俺たち今まで何のために頑張ってきたんだよ」

違う。そうじゃなくて。どうして今まで通り話しかけてくれるの。
心の中では言えるのに声にできなかった。
「ん」と強引に手を握られ、握手を交わした。
その手の温かさに嬉しくなって、切なくなって、強く握り返した。
うん、頑張る。
今度は素直に言葉が出てきた。

エルバはにこりと笑い、バレンタインの耳元に唇を寄せた。

「それから。放課後、図書館に来て」
「え……としょ、かん?」

目を見開いたまま固まるバレンタインに構わず、エルバは続けた。

「そう。絶対に来いよ」
「別の場所じゃ、ダメ?」
「ダメだ! 絶対に図書館に来い。……あそこじゃなきゃ、意味がないんだ」

授業が始まる本鈴が鳴りエルバは手を離し、席へと戻っていった。
バレンタインは重く長いため息をついて肩を落とした。
またややこしいことになりそうだった。

でも、と思いなおす。

(先輩ともちゃんと向き合いたい。今はまず、テストに集中しよう)

覚悟を決めて両頬をパシンと叩いた。

――――君なら大丈夫だよ。

ラウルの声を思い出し、やる気を出す。

「私なら、大丈夫。絶対に」






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前へ ≪ブログトップへ戻る≫ 第46話 レディ・バレンタインと始まりの時
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