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レデイ・バレンタインの自覚 2

ラウルはふぅっと息をついて、苦笑した。

「よかった。あれ以来、ちょっと気が重くて息苦しかったんだけど解消できたよ。
 俺から行くべきだったのにね。先輩のくせに情けないや。
 ありがとう、ここに来るの怖かっただろう」
「いえ、そんな。もっと怖いことがあるから……」
「怖いこと?」
「エルバ君には、まだ謝れていなくて……先輩が気さくで、優しい人で良かった」
「言い易いってこと?」

おどけたように言うので、バレンタインは苦い笑みを浮かべて「まぁ、そんなところですかね」と言葉を濁した。
だが、急にラウルは笑みを消した。
真剣な表情になり、バレンタインは戸惑った。

「せ、先輩?」
「言い易いって、どっちの意味。
 俺のこと好きだから、言い易いの。それとも、眼中にないから言い易いの」
「あの――」

顔がカッと熱くなった。
これは恋の話だ、と恋愛経験の浅いなりにわかった。

「バレンタイン」
「は、はい」
「明後日はグループテストだよね」
「はい」
「その日の放課後、俺たちが出会った場所で待ってる。図書館が閉まるまで待ってるから」

バレンタインは目を丸くした。
それってつまり――と口元を押さえると、ラウルは目をそらして付け加えた。

「たぶん君の想像通り、だよ。でも、答えを聞きたいのは今じゃない。
 考えて。どうして俺だと言い易くて、どうしてエルバには謝りにくいのか。
 それがわかって、それでも俺じゃダメなら図書館には来なくてもいい。
 君は、優しすぎるから。拒みにくいなら、行動で教えて」

それじゃ、と教室へと戻ろうとするラウル。
広い背中を見送っていると、急にラウルは立ち止まった。
ふり返ると、いつもの柔らかな表情で言った。

「グループテスト、頑張って。君なら大丈夫だよ」

手をひらひらと振ってラウルは教室へ帰った。
バレンタインは立ち尽くしていた。
優しすぎるのはあなたの方です、と口の中で呟き、目を伏せた。

どうして、ラウルには言い易くて、エルバには言いにくいのか。

どうしてだろう。

どうして、なのだろう。

心の奥底にたまった恐怖。それは、嫌われたくない、という恐怖だった。
エルバには嫌われたくない。

ラウルにだって嫌われたくなかった。そんなの、当然だ。
でも、ラウルに嫌われたくないと思う恐怖と、エルバに嫌われたくない恐怖は同じかというと、
――違う。

考えていると授業開始の本鈴が鳴り、バレンタインは思考を止めた。
慌てて駆け出し、教室へと戻っていった。







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