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もう一つのメリークリスマス(17)

演奏が終わり、広場は拍手喝采に包まれた。
一国の王子が民のために歌ったというだけで、民心は救われる。
ベイスにこそっと教えられて、美都はうなずき返した。

その後は、美都がギターを弾き続け、高木が住民一人一人を励まし労った。
目に涙を浮かべる者や、明るく笑う者。
子どもたちは美都の奏でる音楽に熱心で、その場を動こうとしなかった。

「すげー……」と美都のギターに聞き惚れた少年の声。
美都ははにかみ、気持ちを込めてギターを弾き続けた。
みんなの心を救おうと、少しでも苦しみを忘れる手伝いができたらと思っていたのに。

(まさか自分が救われるなんて……)

人前で、たった一人で弾けるようになるなんて思わなかった。
自分は今、堂々と一人で演奏している。
怖いなんて思わない。
楽しんでくれる人が目の前にいるから。



「ありがとう、今日は助かったよ」

挨拶を済ませた高木は演奏会を締めくくり、美都を労った。
美都はギターケースを抱えなおして笑った。

「良かったです。思ったより、みんなに楽しんでもらえて」
「うん。やっぱり美都ちゃんに頼んで正解だよ。俺も一緒に歌えて、楽しかったし」
「そうですか? 先輩、途中で歌うのやめましたよね?」

美都が身を屈めて、高木を上目づかいに問い詰めると、
高木は頬を掻きつつ言い逃れた。

「歌詞忘れちゃって」
「あ、嘘っぽい」
「なんでそう思うの」
「目泳いでますもん」

言って、美都はふあ~とあくびをした。
高木はベイスになにかを伝え、美都の背中を押して歩き始めた。

「せ、先輩?」
「良い所に連れて行ってあげる」
「良い所?」

そう、と高木は笑って、美都の耳朶に囁いた。

「寝室に、ね」







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ありがとうございました & お疲れ様でした


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*Comment

No title 

寝室ーっ!?
なんかドキドキしてきましたが、
高木王子の言うことだから深い意味はないのかな…?
あるのかな…?
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2013.06/08 19:09分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

コメントありがとうございます^^

> 寝室ーっ!?
> なんかドキドキしてきましたが、
> 高木王子の言うことだから深い意味はないのかな…?
> あるのかな…?

つかみどころのないキャラを書くのが好きなデジャヴです(笑)
実のところ、この後どうしようか悩んだんですよね。
危なく年齢指定入れるところでしたw
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.06/08 20:35分 
  • [Edit]

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