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重なる記憶(4) 【ケイト&ネメア】 

村人たちが見守る中、ネメアは村の柵門の近く、大木の幹に鎌を深々と突き刺した。
縄でしっかりと固定して縛りつけ、なにがあろうと触れないという約束をした。

「もしこれが外れたら、今度こそみんなの命がないと思って」

ケイトが優しい声音で、しかし厳しい言葉でもって注意を促した。
それからケイトはクノアの元へ戻り、みんなと一緒に夕食を取るように言った。

「ケイトたちは?」
「アタシらは、見張りもあるしみんなと一緒にはいられない」
「どこか行っちゃうんだろ……」

ケイトはネメアと顔を見合わせ、肩をすくめた。

ケイトとネメアは母屋で食事をとっていた。

「田舎とはいえ、野宿の飯よりうまいな」

もっともらしいことをネメアが呟き、ケイトも頷いた。

「気丈なことだ。これが貴族の連中だったら未だ立ち直りはしなかったろうな」
「生きなきゃならないんだ、どんな理由があろうとね。そういう世界なんだ、アタシたちの世界は」

淡々と言いながらスープを口に運ぶ。
頬に垂れ落ちてきた髪を耳にかけて、ケイトはふと顔を上げた。
ネメアの視線に、苦笑した。

(見透かされているんだろうな、きっと)

「アタシも田舎育ちだったから、あの人たちの気持ちが分かるんだ。だから、ちょっとね」
「故郷に帰りたいと思ったか」
「そういうわけじゃっ――――ないって言ったら嘘になるかも」
「そうか」

ネメアは目を伏せると、食事を再開した。
扉が開いたと思ったらクノアと、ノノアを抱いたレミが帰ってきた。
クノアはケイトの隣に座るとパンを横取りして頬張り始めた。

「お前は。ったく、食ってきたんじゃなかったのかよ」
「食べたけど、兄ちゃんたちにあげた」
「なんで?」

ケイトの疑問にはレミが答えた。

「あの子達、元気がなかったんです。自分たちの手で弔ったから」
「そう。だったらパンを持ってくればよかったじゃないか」
「ケイトはさ、腹が減ったら町や村に行くだろ」
「まあね」
「ここで腹を空かせていたら、明日もここに居るだろ」

ネメアは微苦笑し、ケイトはネメアを睨んだ。

「面白がるな」
「いや。なかなか面白いことを言う子だと思って」
「ネメアさん」
「なにかな?」
「ネメアさんは、ケイトの旦那さんなの?」

ケイトは「はっ!」と不機嫌そうに笑うと、勢いよく立ち上がり、母屋から出て行った。
レミは不安げに扉とネメアを見る。
ネメアはゆるく首を振ると、クノアに微笑んだ。

「ケイトはその手の話は嫌いなんだ。許してやってくれ」
「うん。それじゃあ」
「私たちは夫婦ではない。この大陸の遥か彼方にあるバイアシオンという大陸がある。そこで出会い、時に対立し、やがて共に戦った友だ」

レミはケイトが座っていた場所に移り、ネメアに視線を向けた。

「ケイトさんはずっと浮かない顔をしておりました」
「そうか……」

ネメアは、ケイトを見るかのように扉を見つめた。

「大陸を出たあともずっとあの調子だ。彼女はあまりにも多くの者に利用されすぎた……」
「ケイト言ってた、簡単に人を信用するなって」
「そうだろう。だが、彼女は人を信じずにはいられないんだ。根が優しすぎるから」
「ケイトさんはこの先どうなさるんでしょう」

レミはネメアに目で先を促され、ゆっくりと続けた。

「彼女は……なんというか、疲れきっているように見えるんです」
「一目見て気付くのか……」

レミは小首をかしげ、クノアも目をぱちぱちと瞬いた。

「いやなに。私は少々、感情に関することは疎いようで、あなたが気付いたことをつい最近気付いたんだ。ずっと一緒にいたはずなのに」
「まあ」
「彼女はすこし、人としての安らぎのなかで生きるべきだ。だが素直に心配したら、きっと怒り狂うか、平気だと気丈に笑うかのどちらかだろう。だからもっともらしい理由をつけて、しばらく旅を休もうかと思っていたんだが……」

「だが?」

「ケイトに、お前の考えていることは理解できないと言われて、ついむきになってしまった。私に見捨てられたと思ったのか知らないが、彼女は街道に現れたモンスターの餌食に、自らなろうとしてしまってね」
「そんなっ」
「もしかして、それ俺たちの村を襲ったやつじゃ!」

ネメアは頷き、目を伏せた。

「彼女はそれに気付くと、私を置いて君たちを救いにいったんだ」
「でもさ、ケイト言ってたぜ。憂さ晴らしをしたって」
「死んでもいいと思いながら剣を振り回していたんだろう」
「ケイト、なんだか可哀想……」
「そこで提案なんだが――――――」

ケイトが見回りをしている間、ネメアは二人に耳打ちをし話を進めた。
クノアは顔を輝かせて「それ最高! 俺乗った!」と上機嫌で賛成した。
レミは慎重になりつつ「それでケイトさんが喜ぶならば」と渋々協力を約束した。



「ぶえっくゅん!」

色気もへったくれもない、盛大なくしゃみをしてケイトは身体を震わせた。



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