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もう一つのメリークリスマス (12)

「でも、先輩が入社してるってことは、ちゃんとした戸籍や学歴がこっちにもあるってことですよね」
「まあね」

美都は天井を見上げながら、ふぅっと息をついた。

「複雑なんですね」

美都はのほほんとした調子でこの件に関する話を一言で終わらせた。
高木は軽く驚いていた。

「聞かないの。俺の正体とか、どこでどういう行動をしているのか、とか」

美都の徹底した気遣いに高木は戸惑っているようだった。

「さっき言ったこともう忘れちゃったんですか」
「でも、普通の人なら――」
「知らなくても良い事ってあるじゃないですか」

美都は静かに言った。

「私は、先輩のお願いを聞くためだけにここに居るんです」

高木を形成する事柄を知れば知るほど、後戻りができなくなりそうだから。

「先輩の生い立ちや、立場や、諸々の事情を聞くために居るんじゃないんです」

これ以上の干渉はしたくない。

「それを忘れないでください」

高木にとって大切な内面を打ち明けられたら、自分がまるで特別なんじゃないかと勘違いしてしまう。

「…………私のためを、思うなら」
「美都ちゃん」
「すみません、生意気言って。忘れてください、先輩」
「美都ちゃん。俺はいつまで君の先輩なの」

高木は言葉を切ると同時に、腰掛けていたイスから離れて美都の前に立った。
伸ばされた大きな手は、美都のまるい頬を撫でた。

「いつになったら、一人の男として見てくれるの。
 それとも好きな人がいるの。だから俺を意識してくれないの」

質問攻めに美都は口をまごつかせる。

「せ、先輩」

階下からベイスの呼び声がする。

「……ごめん、呼ばれたみたいだ。心が落ち着くまでゆっくりしていて」

離れていった指の感触が、頬にまだ残っている。

熱い。

先輩が触れた場所が、熱くて、切なくなる。
はぁぁ、と熱い吐息。
美都はギターケースを抱きしめて、腕に顔を埋めた。

「先輩、高木先輩……先輩……」

胸の高鳴りは治まりそうになかった。





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ありがとうございました & お疲れ様でした


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*Comment

No title 

きゃああー!
高木王子様素敵です!
優しい王子様ですね。
  • posted by Sha-La 
  • URL 
  • 2013.06/08 19:03分 
  • [Edit]

Re: Sha-La さんへ 

コメントありがとうございます^^

悲鳴あげてもらえて嬉しいです←w
素敵!って言われるとすっごく嬉しいし、
書いて良かったなぁって思います><
これからも、そう言ってもらえるよう頑張りますね!!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.06/08 20:33分 
  • [Edit]

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