FC2ブログ

すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シェキラバ!!

とあるアマチュアバンドの日常。

ツインギターは曲自体に厚みをもたせるのに適している。
迫力も違う。
だが時に、ギター同士が対立することもあるのだ。

貸しスタジオの一室で、一組のバンドが練習をしていた。
マイクを握るのはメンバー中で一番容姿が美しい青年だった。
女性のように肌が色白で、切れ長の目がセクシーで、その美しさからは想像もつかないほど甘い低音の声。
だが、その甘い声も今はかき消されようとしていた。

「あーもう!!」

曲の通し練習の最中、ギターボーカルのキレ声がスピーカーから響いた。
光一の怒声に、メンバーは顔を見合わせてピタリと止めた。

「お前、いつもGAIN上げすぎなんだよ!」

指された本人は小首をかしげて、不満そうにする。

「なんで~、この曲にピッタリじゃんか~」
「俺の声とギターが潰れとるんじゃボケ!!」

言い合う二人を「まぁまぁ」と抑えるのは、ベース担当のMJだった。
誰も本名は知らない。唯一分かるのは、外見上「男」だということだけ。

「リーダーがああ言ってるんだから、香奈子は音を調節して。光一はもっと紳士的に」

ちぇっと、香奈子は渋々GAINを下げた。
光一はふんっと顔をそむけて、ミネラルウォーターを含んだ。
充分にのどを潤し、咳払いをする。

カッカッカッカッ――……。

再び、ドラムの4カウントから始まり通し練習が始まる。
さっきよりぐんと光一の声が聞こえるようになった。
聞こえるようにはなったのだが。

「おいこら、香奈子!」

マイクを引き抜き、光一は香奈子を指差す。

「俺への当て付けか!? 極端にボリューム下げやがって」
「ふーんだ。やっぱりGAIN上げたほうが良いんじゃない」
「適度っていうものを知らないのかお前は!」
「なによ、さっきから文句ばっかり! だったら光一がつまみを調節してよ」

不本意なことを言われて耐えられなくなったのか。
涙目になりながら訴える香奈子。

うっと気圧されて光一は「しゃーねぇな」とマイクを戻し、ギターを置いた。
香奈子の性格は「大雑把」だった。ゆえに、アンプに関しても音作りに関しても極端だった。
すぐにノリで済ませてしまうから、こういう口論は耐えない。
価値観が合わないことに歯がゆさを感じている。
バンドメンバーとしてやっていけるのか、と不安になることはあるが。

「ほら、ちょっと弾いてみろ」
「ん」

ジャカジャカと適当に弾く香奈子。
可愛らしい小さな手で、一生懸命にフレッドを押さえる。

この頑張りを認めないわけにはいかない。
ここまで弾けるようになった頑張りを否定してはいけないと思った。
この甘えた考えで、いつかバンドがバラバラになるとしても。

「ちょっと物足りなくない」
「こっそりGAIN上げたらしばき倒すぞ」
「うぅ、分かったよ。メモするから待ってて」

MJはこっそり笑って、光一に微笑んだ。
香奈子が弦の張替えを怖がっているときも、光一が手伝ったっけ。
MJが言った。
何年前の話だ、と光一は呆れた顔をする。
細い弦はペグを回しすぎると切れることがある。
香奈子はそれを怖がって、なかなか一人で張替えができなかったのだ。

「何だかんだで、面倒見が良いんだよね。口の汚さを除けば良い奴なのに」
「うっせーよ」

さっさと練習を始めてMJの口を塞がなければ。
香奈子はペンとメモを床に落とすと、「オッケー」とのん気に言った。
なんの躊躇もなく、床に落とす辺りが本当に大雑把だった。

「ありがとね」

白い歯を見せてニコッと笑う香奈子に、ドキリとする。
高鳴る鼓動に気付かないふりをして、光一は曖昧にうなずいた。

「お、おう。……、いいからやるぞ!」
「ラジャー!」





END


ドラム空気。
ちなみにキーボードも空気。


ハートを押すとHomeに戻れます
ありがとうございました & お疲れ様でした
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

カウンター

ブログランキング

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ  

FC2Blog Ranking

ワンクリックで応援お願いします!

最新記事

プロフィール

デジャヴ

Author:デジャヴ


二次創作小説・オリジナルファンタジー小説を書いています。訪問して下さった皆様に少しでも楽しんでいただけると幸いです。

恋愛小説サイト『恋砂糖*ひと匙』も運営中


【補足と注意】

・過度な性描写・暴力シーンはありません。

・原作キャラでの同性愛は一切書きません。

・コメント、感想はありがたく頂戴いたします。誹謗中傷やマナーのないコメントは受け付けません。

・当ブログを利用するにあたり、一切の責任は負いかねます。あらかじめご了承ください。

・小説、イラストともに転載・複写×
著作権は放棄しておりません!

以上の点をご理解いただけますことを心よりお願い申し上げます。まだまだ不慣れですが、温かく見守っていただけると幸いです。

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。