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すっごくRPG!!

二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

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レディ・バレンタインと先輩特権

授業中にペンを弄ぶみたいに、ずっと指先を弄ばれる。

「先輩、あの」

逃げるように腕を引こうとするバレンタイン。
ラウルは指に力をこめた。

「ダメだよ。これは罰なんだから、動いちゃダメだ」
「そんな」
「先輩の特権、だよ」
「ずるい特権です」
「じゃあ、後輩特権をあげるよ。そうだな……」

ラウルはほんの少し目線を宙に泳がせて、はたと思いついた顔をする。

「本当に嫌なら、この手を振り払って良い特権」

ラウルは身動き一つせず、じっとバレンタインを見つめた。

「本当に嫌なら振り払って良いよ。
 それで君を責めたり、嫌な奴だとは思わない。そういう特権」

バレンタインは半歩後ろに下がりかけ、足を止めた。
今にも離れそうな指先。
名残惜しく思う、ずるい自分がいる。
エルバのことを想って顔を熱くしていたもう一人の自分が、目の奥で叫んでいた。
優柔不断、と。

「ごめん、ずるいやり方だった」

バレンタインの表情を見たラウルは、触れ合う指先を滑らせてバレンタインの手を包み込んだ。
寄り掛かる机から腰を離して、勢いに任せてバレンタインを片腕で抱きしめる。

「ごめん。俺が無理やりしたことだから。ほら、今も俺は、無理やりしてる。な、君は悪くない。
 だから、そんな泣きそうな顔するなよ」
「すみません……」

ラウルの声に焦りが滲む。
傷つけるつもりはない、とか、振り払われると思っていたとか、色々と言い訳を並べ立てる。
しかし、バレンタインは依然と苦しげに眉を寄せていた。
この感情をどう整理すれば良いのかわからない。

ゆっくりと体を離し、ラウルはバレンタインの顔を恐る恐る覗いた。

「よ、よし、泣いてないな」
「はい」
「よしよし」

ふうっと安心しきった息をもらして、ラウルは肩をすくめた。

「俺、カッコ悪いな」

バレンタインは目をぱちくりさせた。

「久しぶりに焦った。俺、けっこう万能型だから焦ることないんだけど」

ラウルは指の腹で自分の額を圧した。

「あ~やだやだ。こんな俺は――ん、なに笑ってんだよ。……、一生笑ってろ」





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