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重なる記憶(3) 【ケイト&ネメア】

奥から立ち上がった女は顔立ちも良く、ケイトと歳はそう違わないだろう。
目が赤く充血しているのは、たぶん――――。
赤子をしっかりと抱き、ケイトを見据える目は母親の目だった。

「まだ弔いは終わっていない。そのなかに、いるかもしれない」
「はい」
「取り乱すのは、生きている奴の面倒を見終わってからだ。分かったな」

女は一瞬ひるんだが、「はい」と力強く頷き返した。

「他の人たちは、供える物でも作っておけ。若い男も一緒に来い。大事な仕事が待ってる」

少年たちはケイトの意図を知り、戸惑いながらも立ち上がった。

ケイトは少年たちをネメアに預け、女――――レミを母屋へと入れた。
「頼んだ」とケイトが言うなりレミは手際良くノノアの面倒を見てくれた。
クノアはその間、レミの子供のお守りをしていた。

「クノアがしっかりした子でよかった」
「アンタも充分しっかりしてるよ」

レミはノノアに母乳を与えながら微笑んだ。
ケイトは暖炉の火種の面倒を見ていた。

「村を救っていただき、感謝しています。叔母様たちのことは、どうか気を悪くしないでください」
「気にしなくていい。アタシは良い事をしたわけじゃないから」
「いいえ。あなたは救世主様です、我々の。あのままモンスターがいたら、私たちはきっと……」
「救世主、ねぇ」
「ケイト? 顔色が悪いよ」

心配ないと微笑み、ケイトは再び暖炉の火種を大きくして母屋から出た。
すると、立てこもっていた先ほどの集団がぞろぞろと歩いてくるのが見えた。
ケイトは周囲を見渡し危険がないことを確認したうえで、彼女たちに近づいた。

「どうした」
「そろそろお腹が空いたろうと思ってね。みんなの家から少しずつ食料を集めようと思って。村長の家に集まって食事をとろうと思うんだけど……アンタたちも食べるだろう?」
「そう。悪いね。ネメアとアタシはクノアの母屋を借りて寝食するよ。夜はみんな普通に過ごして。見張りはアタシらがやるから」
「でも、それじゃあ悪いよ」
「厳つい顔した男と一緒に食事を取りたいの?」
「よく見りゃ、良い男じゃないのさ」

獅子帝と謳われた者を「良い男」と称するか。
ケイトは盛大に笑い、目に涙をためながら言い放った。
つられて女たちもクスクス笑い始める。

「おかみさん、あの男を夫にしたいと思うの? 欲しいならくれてやるよ」
「まあ! あんなに良い男をくれてやるだって」
「アンタの男じゃないのかい?」
「まさか。女衆が声を揃えて、居てくれと頼めば居てくれるんじゃないか?」
「そりゃあ、ここに居てくれたら安心だよ」

うんうん、と頷く女衆たち。
そうか、と微苦笑を浮かべたケイトは続けた。

「それで、みんなこれからどうするの? このまま村に住み続けるの?」

一同は黙り、やはりおかみさんが言葉を濁しつつ言った。

「老人や病人もいる。ここに留まるしか道はないだろうさ……」
「そう。なんとか住めるように対策を考えておくよ。今はしっかり養生しなよ」
「養生たって、あたしらはどこも怪我しちゃいないよ」

ケイトは、ひらひらと手を振ってネメアの元へと向かった。
弔いは終わっていたようで、墓地には少年たちのすすり泣く声が漂っていた。
ケイトとネメアは顔を見合って頷くと、生き残った村人たちを墓地へと集め最期の別れをさせた。
その間、ネメアとケイトは村に「退魔の香水」を振りまき、モンスターの脅威をある程度防ぎ、街道へと戻った。

「あの鎌を村の境界に刺しておくのはどうだろう。あれだけのソウルを吸うモンスターが狩られたとなると、他のモンスターも近寄ったりしないだろうと思うんだけど」
「どうだろうな。試したことはないが、やってみる価値はありそうだ」
「うん」

街道にたどり着くと、鎌は未だ怪しい光を放ったまま落ちていた。
ケイトはためらうことなく鎌に触れようとする。
ネメアはとっさにその手を掴んだ。

「私がやる」
「ネメアがやろうと、アタシがやろうと変らないだろ」
「私には魔人の血がながれている。だが、お前は人間だ」

言うと、ネメアは強引に鎌を取り上げ村へと引き返した。
ケイトは顔をしかめて、ネメアの隣に並んだ。

「なんだよ。いっつも人の歩調とか気にしないで歩きやがって」
「早足で来い。それでもついてこれなかったら譲歩する」



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