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レディ・バレンタインの熱

「32小節目、音を抑えて」
「次は音を膨らませて盛り上げて」
「ピチカートのところは焦らずに」

バレンタインはヴァイオリンを弾きながら指示を出す。
リズムを維持し、楽譜通りに進める。
とても神経を使うポジションだが、頼まれたからには本気で取り組む。
それに、とバレンタインはエルバを見た。

(手を抜いて、バカにされるのもいやだもん)

「エルバ君、テンポが乱れてる」

うっとエルバは顔をしかめて、テンポを元に戻す。
自習室の利用は一人の場合一時間、一組の場合は九十分と決まっている。
一時間が経った頃に、小休憩が入った。
バレンタインは窓を開けて風に当たっていた。
ユリはトイレに、ロイは飲み物を買いに行った。

当然、今はエルバと二人きりの状態だ。

「なあ」

窓に腕を乗せて、顔を埋めていたバレンタインは、ちらりと横目にエルバを見た。

「なに怒ってんだよ」
「怒る? 私が、なぜ」
「声も顔も怒ってるだろ」

きっぱりと言い返される。
バレンタインは外を眺めて口を尖らせた。

「最初に怒っていたのはどっちよ……」

吹き付ける風に、エルバの髪が揺れた。
バレンタインは前髪を整えて、窓を閉める。
鍵をかけようと手を伸ばしたとき、エルバの手が重なった。
指の間に、エルバの骨ばった長い指がはめられる。

ぎょっとして横をふり返ると、エルバの顔がすぐ隣にあった。

「あいつと付き合うのか」

かっと熱くなる思いで、バレンタインは声を強めた。

「そんなこと、ありえない。エルバ君は私と先輩が付き合えばいいって思っているの」
「付き合うなって思ってる」

押しかぶせるように、エルバは言った。

「あいつとなんか付き合うな」

ぎゅっと指先に力を込められる。

じっと見つめ合う。

エルバは堪えるように顔をそむけて、目を伏せた。
ゆっくりと手を離され、バレンタインは自分の手を胸元に寄せた。
熱く、じんじんする手の甲と、指の間。
ドキドキと胸が高鳴り、頭が沸騰しそうなほど熱かった。






ありがとうございました&お疲れ様でした

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前へ ≪ブログトップへ戻る≫ 第34話 レディ・バレンタインと重なる記憶
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*Comment

お邪魔します^^ 

デジャヴさん、こんにちは^^
最新更新まで、一気に読ませていただきました。
なんというか…青春だなぁと。
この回とか、一人でニヤニヤしながら読んでました(〃▽〃)
がんばれっ、二人ともっっ(≧∇≦)b

バイオリン、いいですよねぇ♪
わたしもギターなら、ほんの少しかじったことがあるのですが、
弦楽器の音色が本当に好きで…><
とくにバイオリンは大好きだったのですが、家庭の事情で
習わせてはもらえなかった(笑)
劇中に、何度も、デジャヴさんの音楽に対する感情というか
そういうのを感じて、
「ああ、それわかる」とか納得しながらみてました。
バレンタインさんは、とても音楽に対して誠実なのだと
想います。

ここから、エルバくんとの仲がいっきに進むのか?
それとも、ロイ先輩の邪魔がはいるのか(笑)
続き、楽しみにしています^^

  • posted by 天甲斐エコ 
  • URL 
  • 2012.12/13 10:05分 
  • [Edit]

こんにちは! 

一挙に更新、お疲れ様です!!

がんばれ、エルバ君―!!!
個人的に一押しです(//▽//)♪

ときめきは好物です❤ ←オイ
やっぱりデジャブさんのお話は、芯があったかくって好きです♪
どうなるんだろう?
バレンタインの恋も音楽も、素敵な未来でありますように(^人^)♥
  • posted by 椿 
  • URL 
  • 2012.12/13 10:58分 
  • [Edit]

Re: 天甲斐エコさんへ 

コメントありがとうございます!
お忙しい合間を縫って読んで頂けただけでも嬉しいのに、コメントまでっ><

> この回とか、一人でニヤニヤしながら読んでました(〃▽〃)
> がんばれっ、二人ともっっ(≧∇≦)b
ベタな展開ですが、書いてる本人も内心にやけてました(笑)

最近アンサンブルや弦楽四重奏にはまったのをきっかけに、この小説を書きました。
私はピアノを幼少より習っていたので、その当時の記憶を頼りに書いてます。
音色に関しては、先生に何十回も注意されましたw

ギターもけっこう曲者ですよね。
ちゃんと音が出てくれないという!

これからもこの子達を見守ってくれるとありがたいです。
本当にありがとうございました!
またお待ちしております♪
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/13 15:16分 
  • [Edit]

Re: 椿さんへ 

> 一挙に更新、お疲れ様です!!
ありがとうございます♪

> がんばれ、エルバ君―!!!
> 個人的に一押しです(//▽//)♪
エルバも喜んでいると思います(笑)
表と裏の顔があるため、嫌な奴に見えなくもないので、よかったです><

> ときめきは好物です❤ ←オイ
> やっぱりデジャブさんのお話は、芯があったかくって好きです♪
これからも、ときめきをどっさー入れていきますので、よろしくお願いします!
なんだか照れてしまいますが、ありがとうございます(∀`*ゞ)エヘヘ
これからも丁寧にお話を書いていこうと思います!
励みます!!
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2012.12/13 21:48分 
  • [Edit]

No title 

若さと感情が入り混じれるのが音楽とも言えなくもないですけどね。解釈論ですけどね。そのあたりからいえば、面白い演奏になりそうですけどね。こういうのは。結果の演奏がどうなるのか楽しみですね。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2013.04/21 22:42分 
  • [Edit]

Re: LandM さんへ 

こんばんは^^
訪問、そしてコメントありがとうございます。
自分の価値観が音楽にはそのまま現れてしまいます。それをうまく調整して、作曲者が求める表現方法というものを追求していくのが、音楽家、という見方をしています。
でも、その見方もやはり個人個人で違いますよね。
こういうテーマって(自分で作っておきながら)考えさせられるし、難しいなと思います。

改めまして、コメント本当にありがとうございます。
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.04/22 22:19分 
  • [Edit]

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