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安らぎを求める者 ①

ケイトは走っていた。
遠目にエルファスとシャリが接触しているのを目撃し、慌てて駆けつけたのだった。
シャリが気付いたように、ちらりとケイトを見た。

「ケイト……」

エルファスは戸惑ったように顔を強張らせ、ケイトを見つめた。
いつもとは違う、覇気を失ったエルファス。
あの、人をこバカにしたような態度はどこへいったのだ。
なにかあったなと察したケイトは、シャリを睨みつけた。

「シャリ。アンタ、こいつになにしようってのよ」

シャリは意に介するそぶりも見せない。
猫のような目を細めて、嗤った。

「君の姉さんへの真心を示すために、彼女を殺してよ。エルファス」
「そんな。僕には、ケイトを殺すことなんて」

黒髪の青年シャリは声高らかにせせら笑って、うな垂れるエルファスを見下した。

「姉さんを裏切って彼女を選ぶの? はっ、これだから坊ちゃん育ちはダメなのさ」

シャリは片手を掲げた。
彼の頭上に黒雲が現れ、稲妻が走る。
シャリは微笑んだままケイトを射竦めた。

「さて。エルファスは君と姉さん、どちらを選ぶんだろうね」
「は?」

黒雲からモンスターの首が出てくる。

「まったく世話がやけるよ、エルファス。僕がお手本を見せてあげるよ!」

ケイトは事態の急変についていけないまま、剣を抜いた。
なんの前触れもなしにモンスターが飛び掛ってくる。
ケイトは間一髪でかわしたが、構えることもできなかった。

視界の端にちらつく、シャリとエルファスの姿。
ケイトがこうして戦っている間も、シャリはエルファスに耳打ちをする。
苦しそうに眉根を寄せてエルファスは首を振る。

「エルファス、そいつの言葉を聞いちゃダメ!」

エルファスが真っ青になった顔を上げる。
シャリは勝ち誇った顔で、エルファスの肩を抱き囁き続ける。

「エルファス! はっ!? ――キャアァァァ!」
「ケイト!!」

爆風にあおられケイトの身体が飛び、砂埃が舞うなかを転げまわる。
砂埃が落ち着いて、晴れた視界から浮かび上がる、傷だらけのケイトの肢体。
駆けつけようとするエルファスの腕を、シャリが掴んだ。

「大丈夫。あれでいいんだ。姉さんはきっと喜んでいるよ。
 死してもなお君を求めている姉さんが、ね」
「でも、彼女は僕をなんども助けてくれたんだ」
「君は救世主だよ。助けられて当然じゃないか」

良い様に言いくるめられ、エルファスは立ち尽くした。

姉か、ケイトか。

姉と似た美しい容貌が、険しく歪む。
ずっとずっと、姉の晴らせぬ恨みのためだけに生きてきた。
自分から奪われた分だけ、世界から多くのものを奪ってやろうと生きてきた。

「エ、ル……ファス」

ケイトのか細い声にエルファスの肩が震える。
かすり傷を負った、細緻(さいち)な指先がエルファスを求める。

「エルファス、ダメ。そっち、は、ダメ」

間違いではなかったはずだ。
自分の生き方は間違いではない。
ここでケイトを取れば、姉を裏切ることになる。
裏切り続ける生き方をしなければならない。

「大丈夫。終わりは一瞬だよ。君が決めれば、あとは一瞬だ。
 また姉さんと一緒に生きていこうよ」

穏やかに、甘く、シャリはエルファスの耳朶(じだ)に囁いた。

「姉さん……姉さん、ずっと一緒に」

エルファスは目を閉じ、奥歯を噛んだ。








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