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レディ・バレンタインの逃走

三人が反対するのも無理はない。

「それだと評価が、ね」

ロイが控えめに拒否した。
エルバもユリも渋い顔をして、バレンタインに賛同することはなかった。
わかっていたことだ。

「そう、だよね。でも、ちゃんと意見は言ったから。あとは任せる」
「ちょっと待てよ。まだ話は終わってない」

そう言ってエルバはつけ加えた。

「理由。やりたい理由は?」
 
まさかちゃんと聞いてくれるとは思っていなかった。
バレンタインはドキドキと高鳴る薄い胸を押さえて、目を伏せた。

「でも」
「いいから。笑わないし、非難もしないから」
「でも……」

言わなければならない雰囲気に負けて、バレンタインは泣きそうになりながら説明を始めた。

「みんな上手で、リズムも間違っていなかったし、音のミスもなかった。でも、ね。
 音がバラバラなの。授業で習ったとおりに弾いているはずなのに、音の色が違って」

一息つく。
こんな酷いことを言って良いのだろうか。
罪悪感で胸がしめつけられる。

「あのね、難しい曲をやるのは構わないんだけれど、私、自己満足で終わりたくないの。
 私はあの人たちに音楽と向き合うって約束したから。
 自分さえ良ければいいなんて、思いたくないの。だから、だから。その――ごめんなさい」

これ以上は無理だ。

バレンタインは急に立ち上がり、逃げ出した。

人と違う意見を言うのが、こんなに怖いなんて。
これで嫌われたらどうしよう。
空気読めないって思われたらどうしよう。
そんなことばかり頭によぎっていく。

小説を書いていなくても同じだ。
自分はいつだって、見えない視線と他者の感情にビビッている。

(こんな私、もういや)

バレンタインは泣きながら、息が切れて疲れ果てるまで逃げ続けた。






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前へ ≪ブログトップへ戻る≫ 第26話 レディ・バレンタインの忘れ物
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*Comment

No title 

・・・ん?バレンタインは何か悪いことを言ったんですかね。ふんぞり返る必要はないですが、音楽の技量と意思の強さがかみ合っていないのが難点ですね。その辺が脆いところでもあると思いますし、若さなんでしょうけど。
  • posted by LandM 
  • URL 
  • 2013.04/07 21:58分 
  • [Edit]

Re: LandM さんへ 

こんばんは^^
訪問、コメントありがとうございます。
若さゆえに色々悩むんですよね。
バレンタインは特に自己主張ができるタイプではないので、悲観的になりがちです。
  • posted by デジャヴ 
  • URL 
  • 2013.04/07 22:03分 
  • [Edit]

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