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二次創作小説・オリジナル小説を掲載しております。

Category [【完】アーモンドの花 ] 記事一覧

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アーモンドの花(7)

 翌朝――……。 村に鐘の音が響き渡る。 イーサンは不思議な心地でその音を、教会の外で聞いていた。 数年ぶりに自分が鳴らさぬ鐘を聞いた。 それでも、やはり据わりが悪くて教会へ赴いていた。「イーーサーーン!!」 空から鐘の音に掻き消されそうな、しかし彼女の叫び声が飛んでくる。 ふっと上を仰ぎ見ると、彼女は地平線を指差して笑っていた。 なにかを言っているが、よく聞き取れない。 言いたいことはなんとなく分か...

アーモンドの花(6)

  いつものように早朝、鐘を鳴らすイーサン。 らせん階段を降りて、かすかに聞こえてくる鐘の音を聞きながら暖をとる。「神父様」 滅多に己から口を開かぬイーサンが、ふと言った。「少しだけ、頑張ってみようと思う」「良いことだね、とても素晴らしいことだ。勇気を持つことは、君自身を輝かせる」 司教は少し黙ってから、「でも、なぜ急に」と尋ねた。 イーサンは微かに笑いながら言った。「彼女……花が好きだと言ったから...

アーモンドの花(5)

 ――さらに翌朝。「俺には財がない。だから幸せにできない」 イーサンは昨日の会話の続きをした。 なぜ幸せに出来ないと思うのか、具体的に答えると。「財、とは人それぞれだろう」「え?」「人を財だと言う人がいる。大事な労働力だから。 金を財だという人がいる。生きるために必要だから。 女を財だという人がいる。愛しているから。あるいは子孫を残すため。 命を財だという人がいる。親への恩を感じるから。神への感謝が...

アーモンドの花(4)

 教会を出て真っ直ぐに向かうは、雇い主の庭園だった。 アーモンドの樹が広大な庭一面に植えられている。 アーモンドの枝を引き寄せて、じっと見つめる。 芽を出したものの、蕾は硬く閉じている。花が咲くまで、まだ時間が掛かりそうだった。 翌朝――。 いつものように鐘を鳴らして、イーサンは暖炉で暖まっていた。 司教の気配を感じながらふと呟く。「俺は、こんななりだから……きっと報われない」「笑いなさい。優しく笑え...

アーモンドの花(3)

 暖炉の前で温まっていると、教会の扉がそーっと開いた。一抱えの花束を持って現れた女性に、司教は「おはよう」と声を掛けた。「おはようございます、神父様。イーサンも、おはよう」 イーサンは目尻を下げて挨拶を返した。 ベージュの外套を身にまとう彼女は、口元に寄せていた布を指先で下げて笑みを浮かべた。「見て、イーサン。今日のお花も冴えて良い色でしょう」「ああ」 彼女は嬉しそうに微笑んで、この花のこの色が好...

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